青春
□君の眠気に誘われて
1ページ/2ページ
「…おい、いい加減起きろっつーの。
日本史の課題残ってんだろ。」
誰もいない図書室で居眠りしている瀬戸の肩を揺らすのは隣で真面目に勉強していた花宮である。
WC予選が終わってすぐテスト勉強に切り替えた二人は約束をして霧崎第一高校の図書室の日当たりの良い、一番隅の席でやらなくてもいい勉強をしている。
始めの5分は真面目にやっていた。課題もやってテスト対策に励んでいたが途中で瀬戸がアイマスクをとったと思いきや装着して腕組をするといきなり寝始めたのである。
花宮も始めこそ何も言わなかったが一向に起きる気がしない瀬戸を見て起こす決断をした。
「聞いてんのかバァカ。
んで試合のときは起きるの早ェくせに今遅ェんだよ。」
肩を揺らすだけでは起きないと悟り、ポカポカと叩き出した。
当然起きる気配は、ない。