青春
□花宮くんの悪態
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ここは霧崎第一高校。
今、ちょうど19時30分。
バスケ部監督兼キャプテンのあの人が白い息を吐き出しながら出てきた。
マフラーをして小石を蹴る姿は
少年のようだ。
そして正門約100メートル付近で
人影を見つけた。
「……ぃ、…おーい、花宮ぁ!!」
――…人影は我らの王子、鉄心こと
木吉鉄平くんである。
「…え…いや、なんで…、え、おま…」
あの人とは我らのヒーロー、悪童こと
花宮真くんである。
花宮は狼狽えながら木吉に駆け寄る。
WC予選時に再会してからすぐに二人は付き合い始めた。
だが日向や瀬戸から止めておけと釘を刺され思うように会えなかったのだ。
――…花宮の目の前には逢いたくて
仕方なかった木吉。
抱きつきたい衝動をグッと堪え
平常心を装う。