青春

□想い、思う。
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「は…、…?」

神奈川に来た青峰は凝視しながら彼、
笠松幸男を見る。
笠松の最後の大会のWCが幕を閉じた
すぐに二人は付き合い始めた。


そして今、笠松の家に二人きり。
だが甘い雰囲気ではなく、
むしろピリピリしていた…。

「ワリ…、…自分の夢叶えてぇんだ」

謝りながら学校から配布された
進路希望調査紙を青峰に渡す。

笠松幸男と丁寧に書かれた字の下には進学と表記されていた。……想定内。

だが進学校は想定外だった…。

「アメリカって…どういうことだよ…」

しかもそこは世界有数の大学。
笠松の頭は頗る(すこぶる)良いのは
知っていたが…まさかアメリカ…。

「そこに行けば100%自分の夢が
叶えられる…。今の俺の実力でも
充分みたいだから…、」

掠れ声だが笠松の決心は硬い。

青峰は笠松の目を見るのが怖いのか、
笠松を見ない。

「そこまでして、…海外に行ってまで
叶えたい夢はなんだ、…。」

絞り出すように言った青峰の声は
怒りと哀しみ、怯えが含まれていた。

「…、…言えない…。」

笠松は膝の上でギュッと拳を握った。

「……」

青峰の目には涙が浮かんでいた…。
俺のことを信じてねぇから言えない?
信頼されてない?

キセキの世代として人並み以上の実力を持っているとしても所詮は高1…。

恋人の思惑が分からずついにポトリと
涙が落ちた――……。
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