dream☆request

□ゆらぎ
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ちえさんに、
私は遊びたおしてると、思われてるんは認識してる。

でも、舞台にさえ影響しなければ、
ちえさんにとって、そんなこと…
どうでもいいことで。

私の私生活になんて、
まったく絡んでこないし…興味もないみたいだし…

芸事には厳しい人だけど、
基本的にそれ以外の場面では、サラッとしたものだ。

…なのに私は。

まさこさんとちえさんの、
次の休みの日はどうするかとか、
帰りはどこへ行くかとか、

…そんな二人の声が近くで聞こえる度に
…イラついて。

私は、
その他大勢の一人だと思い知らされる。

少なくとも、
まさこさんはちえさんの同期で、友達。

私は、どうしたいんだろう…
ちえさんの何になりたいんだろう。
ただ、
認めてもらいたいだけかもしれない。

お稽古場で、溜息をつく。

すると、
私の前に、二人並んで座っていたちえさんとまさこさんが、同時に振り向いた。

「さゆみ、さっきの振り、完全に遅れとったで?」
手厳しいちえさんからのお叱り。

「しかもさ〜途中わたしの足踏んだよね?」
と、まさこさん。
あ、もちろんまさこさんのは冗談めかしての言葉やけど。

「それはなまさこ、
まさこの振りも遅れとったからやで?
だから踏まれるねん!」

「藪蛇〜。
良く見てるよね〜ちえ。 あー怖っ」

まさこさんは肩を竦めて教室から出て行ってしまった。

「さゆみ、全然振りが頭に入ってないよな?残ってする?付き合うけど」

トップちえさんの言葉にまさか、ノーとは言えない。
自ら教えて下さると?

そりゃそうやんなぁ
自分の横で踊る私がグダグダでは…
あかんわなぁ…

「今日お時間いいんですか?
ご迷惑でなければ、よろしくお願いします…」

ぺこりと頭を下げる。
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