773dream

□雨の夜
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夕暮れから降り出した雨は
ますます酷くなるばかり。

平日の今日、彼女は仕事だ。

嵐が近いと知り、
明日の夜は迎えに行くよと連絡したのは
昨日の朝。

スマホ越しに返ってきたのは
ある意味予想通りの応えだった。

「ありがとう。
でもいい、大丈夫。
せっかくの休演日だからゆっくり休んでて。
電車止まっちゃったら職場の人とタクシー呼んで帰るから。
何とかして帰るから、ホントに大丈夫」

と、こんな感じだった。

嵐の夜にタクシーなんて
簡単に来るわけがないだろ?て
喉元まで出かかったけど、
飲み込んだ。

ほんの少しだけ自分より年上の彼女は
いつもこんな調子だ。

顔を合わせて…肌を合わせると
本当に可愛い人になるくせに。

なのに、普段の彼女は
つれないほどあっさりしている。
ホントにあたしのことが好きなの?て疑うほどに。
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