間違い探し
□STORY7〜yuki…
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四年前。
「夏祭り行こうよっ!!」
まだ夏も始まったばかり。
あんま夏祭りもやってないでしょう。
ちらっとこっちを見た名無しさんの頬が膨らんだ。
「なんとなくバカにされた気がする。」
この人は感受性が高いんだろう。
祐希「バカにしてませんよ、ほら。」
ふっ、って言ってバカにしたように笑うと名無しさんはぷいってそっぽ向いた。
横顔が見える。
それは、儚くて
綺麗で
尖らせた口が少し見える。
「祐希のばーか。」
そんなこという。
悠太「ほらほら、祐希。名無しさん先輩を怒らせちゃだめでしょう。」
お兄ちゃーん、って言って悠太のそばに寄る名無しさんをオレはただ見ることしかできなかった。