間違い探し

□STORY2 〜yuki…〜
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春「お、おお、お弁当食べましょう??ね??」

あ、お手洗い行ってこないと…っていいながらカバンの中から出したハンカチ。


要「お前…どこまで花だらけなんだよ…」


ハンカチの柄は、見なくても大体わかる。


ピンクの花柄。


春「いーじゃないですかー!ボクが好きなお花なんですから!」


ぷくーって膨れてる春は、どんな女の子よりも可愛いと思う。

素直で。


祐希「春は顔もお花だもんねー…」


窓の外を見てみる。


ガラス越しじゃなんだかもったいなくて、思わず窓を開けた。


要「っおい!!祐希!!勝手に開けるなよっ!!」


要の声が遠くに聞こえる。


「賭け損だよ…」


彼女の声が誰よりも近くに聞こえる。


名無しさんって呼ばれた彼女は振り向き際に、こっちを見た。


祐希「…ぁ」


目、合った。


彼女はなんだか大人で、きっと先輩なんだろうなって思った。


3年生…ですかね…


3年生なのに、花柄ハンカチがハーフパンツのポッケからはみ出てる。


それがなんだかおかしくて、

ちょっと笑ってしまった。


そしたら彼女は

きょとん、とした顔してから

なにを思ったのか、


ふはって変な笑い方しながら笑った。


そこでチャイムが鳴る。

昼ごはんのチャイムが。


そのチャイムを聞いた先輩は、先輩の友達と少し駆け足で校舎内に入って行った。


ジャージきてたから、体育の途中だったのかな…とか、

そこはもう空っぽになった先輩のいた場所からしばらく目を逸らさないで見ながら、考えた。


春「あーっお手洗い行くの忘れちゃったじゃないですか!!」


祐希「あれー春、まだ行ってなかったのー??」


既に手を洗いに行ったと思っていた、春がまだ手を洗いに行ってないと言ってたから、

少しびっくり。


春「だ、だって…祐希くんがなんだか綺麗だったから…!!」


祐希「え、ちょっと、俺のせいですか。」


大体、綺麗とか、春ならいくらでも出てきそうな言葉だけど

あまりにも真顔に言ってくるから、なんだかこっぱずかしいというかなんと言うか…


悠太「ほらほら、オレもついてってあげるから、行くよー春。祐希も来なよ。ついでに要も。」

要「俺はついでかよっ」


おいでおいでってする悠太に抱きつきながら思った。


あの先輩にまたあいたいな。
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