深海少女
□悲しみの海。
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貴女side
今日もまたこれだ。
この岩鳶高校に入ってまだ数ヶ月。
…私へのイジメが始まって二ヶ月。
きっかけは単純だった。
前にいじめられていた子に裏切られた。
ただ、それだけ。
女1「今日もきたよーあいつ。」
女2「本当、懲りないよね〜」
この程度の言葉にはもう慣れた。
でも、まだ慣れないのは…
女3「今日はどこ切る??」
カッターを手にニヤニヤ笑ってる。
それを見て何も言わない皆。
いや、言えないんだろう。
皆、反発する勇気がないから、だから何も言わないで見て見ぬ振り。
でも私は皆を責める気はしない。
私も皆と同じ…
反発する勇気がないから。
ガラッ))
渚「誰かーー!!習字セット貸してぇーー!!!」
空気を読まずドアを開けたのは、葉月渚。
クラスは離れてたけど大きな声と可愛らしいルックスなどで、目立っている。
渚「あれ??」
女2「あ〜いいよ♪私の貸してあげる!」
渚「ありがとぉ!じゃあね〜」
バタン))
嵐のように通り過ぎる渚くん。
私はあの子の笑顔に少し救われている。
女3「…じゃ、私、今日ちょっと用事あるから。」
"放課後ね"
この言葉の意味を私は知っている。
放課後、またどっか赤く染めてあげるからね、
の意味を。
早く家に帰って泳ぎたい…。