そこに光がなくても、
□それから。
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貴女side
あれから私はよくエレンの家に泊まった。
アルミンとも毎日の様に遊んだ。
勿論、兵士としての仕事をしながら。
毎日ベルトを付けるのは面倒くさいけど
そんなのも遊んでるうちに
どうでもいい気がして。
こんなとこがまだ子供なんだ、直さなきゃいけない、って言い聞かせた。
そんなある日、アルミンは何故かちょっと先行ってて!新しい本がなんちゃらかんちゃらって言って、エレンと私で川の近くでぼーっとしてた。
「…んふふっ」
エレ「??…なんだよ、」
「エレっ凄い顔っあははっ…」
エレ「失礼なやつだな…全く!」
と言って頭を掻いてそっぽを向いた。
エレンがそっぽを向くのは照れてる証。
私はそれ以上触れずに、ふふっと笑ってエレンと同じように空を見た。
いつか。
壁を。
乗り越えていけたらどんなに。
アル「モナヤー!エレーン!!」
エレ「どうしたぁ、アルミン。」
アル「見てよ、これ!」
といって見せてきたのは本だった
「本が…どうしたの??」
一見なんの変哲もないただの本だ
アル「ただの本じゃないんだ!」
「?」
アル「おじいちゃんが隠し持ってたんだ!…外の世界が書かれてる本だよ!」
エレ「外の世界の本だって!?」
「それって…いけないものなんじゃ?」
エレ「モナヤの言うとおりだ!憲兵に捕まっちまうぞ?」
だけどアルミンは目を輝かせるのをやめない。
アル「そんなこと言ってる暇じゃないんだ!!この本によると、この世界の大半は”海”っていう水で覆われてるんだ!しかも。”海”は全部塩水なんだって!!」
「塩…?」
エレ「うっ…嘘つけ!塩なんて宝の山じゃねぇか!!きっと商人がすぐに取り尽くしちまうよ!!」
「うん。商人がすぐに…」
何もかも。
アル「いいや!取り尽くせないほど”海”は広いんだ!!」
「そんなワケ…!!」
私はこれ以上喋れなかった。
アルミンの目は真っ直ぐで説得力があって何よりも輝いていたから
「他にも…何があるの?」
私は興味が湧いて、聞いてみた。
エレンも同様、興味津々だった。
アル「うん!ほかにも、炎の水!氷の大地!砂の雪原!きっと外の世界はこの壁の中の何倍も広いんだ!!」
エレ・あ「「外の…世界」」
アル「モナヤ、エレン!」
エレ・あ「「んー?」」
アル「いつか…外の世界を探検出来るといいね!」
この時のアルミンの顔を私は一生忘れない。
何処か儚げで、でも希望に満ち溢れて…
言葉では表せないような顔をしていたから。
「よしっ!じゃあ、約束だ!!」
私は小指をうえに挙げた。
アル・エレ「「??」」
「行こう!3人で!!この世界の外へ…」
私が。
「私が、つっ…連れてってみせるから!いつか、きっと…^ ^」
エレ「いいや、おれは。」
エレ「モナヤにつれてってもらわなくともおれがお前らを連れてく。んで、3人でみような!”海”!」
アル・あ「「うん!!」」
約束だ!って言って3人はまだ小さな小指を3本目の前にだして絡ませた。
穢れのない、無垢な三人が。
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