間違い探し
□STORY1
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ぽかぽかと暖かい風。
冬も過ぎ、寒さは絶対残るだろうって思ってたあの冬は、
春になると同時に
あぁ、冬はどんだけ寒くても、通り過ぎて行ってしまうんだなって今年も感じた。
毎年感じる季節の変わり目の不思議な感覚。
春は、ここから暑くなるんだろうと思い、
夏は、これからどうやって暑さが引いていくんだろう…秋もあつくなるのかな、と思い、
秋は、少し肌寒く、冬になるんだな、と思い、
冬は、絶対この寒さは永遠に続く!って賭ける。
だけど、日本はそんな四季を何十、何百、何万と繰り返しているのだから、
今更、春はなくなりましたー!とか
夏は暑くなりませーん!
とか
ならない。
まんまと考えを裏切られて、暖かくなった春は、まるで私を嘲笑うかのように風を吹かせる。
「まるで賭け損だ…」
ぼそりと呟いた声は誰に届くわけでもなく
そして賭け損だ、と言ってる割には、お金をかけてるわけでもなく、
ただ単に頭の中で勝手に賭けをしてただけなので、物質的に失うものもなく。
…私のテンションが失われただけだった。