長編夢
□02.蜘蛛と被験者
1ページ/5ページ
「フェイタン、団長がもういいってさ。」
マチが死臭と鮮血の匂いがする部屋に向かって叫ぶ。
「そか、こち何も手掛かり無かたよ。」
小さくて真っ黒な服を着たフェイタンと呼ばれた人物は、
振り返ってそう答えた。
「…せんせ、い、今日は、終わりですか。」
椅子に縛られた少年は痛みを感じない様で、
普通の表情ながらボロボロの体で呟いた。
まるで何か催眠術にでもかかったような。
「…ワタシ先生違うよ。」
冷たい氷の様な眼差しで、
フェイタンは少年の息の根を止めた。