陽炎

□序章 少女と猫
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少女はひたすら走っていた
その少女の後ろには大きな猪が居て少女に向かって突進していた
そして崖を挟んだ反対側、灰色の髪の少年と白と灰と黒の色が入り乱れた女性、茶髪の女性が居た
「ララ、何か聞こえなかった?」
「何も聞こえないわよ?」
あっちの方から、と指を指した方は女性が向かう先だった
「あら、私の行き先じゃない」
ネイネとララは女性とは別の依頼を受けていた
「それじゃアジト防衛頑張って♪」
笑顔で二人を見送る
「ミルレさんこそ頑張ってください」
ミルレがネイネの指差した方向に歩いていると谷を挟んで向こう側に一人の少女とミルレが受けた討伐依頼の猪が居た
「あの子…危ない!」
槍で攻撃を受け止めたがその衝撃で少女は崖から落ちた
「仕方ない!」
ミルレは自分のいる方の崖から飛び降りて壁を思いっきり蹴り、反対側に行き、崖を走って少女を受け止める
「平気?」
『う…うん』
すると大量の魔鳥がミルレをつつき始める
「痛い!掴まってて!」
『わかった…』
少女がミルレにしがみつくとミルレが足に付けた鞘から二本の長刀に近い短剣二本を逆手で取り出す
「ルロードルリ…」
ミルレが崖上にジャンプするそれに合わせて魔鳥がミルレを追う
「トルード!」
追ってきた魔鳥を体を大きく回転させつつ短剣を使って凪ぎ払う
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