アイドル2

□SolidS里津花相手
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そんなある日。

「ねぇ、君。」
「?私?」
「うん、君。ね、暇ならちょっと俺に付き合って欲しいな?」

は。
ナンパ?

「あー、いや…な、ナンパ…じゃないんだけど…


いや、ナンパ。

「っ…ええと、急にごめんね?SolidS世良里津花です…」
「っ!?」

は!?
声が出ないまま見てたら瞬間でまた帽子。
変装?

「まぁ、ね?ええと、話だけでも聞いてくれませんか?」

は、話…だけなら?

「っ!良かったぁ…俺だけがまだだったから…」
「?」
「あ、いや。企画でね?」

手近に座ったベンチ。
普段のリッカってなんて言うかナチュラル系なんだなー。

「ええと、まず。今アイドルユニット全員でとある企画をやっていて。SolidSはそれぞれアイドル担当2名と、作曲家担当1名と、モデル担当1名をスカウトして育てるって企画。」
「で、SolidSのリッカはモデル担当?」
「うん。元モデル目線で、って事なんだけど。ここに居て初めて「この子だ!」っていう子に今出会いました。それが、君です。」

私、が?

「うん。なんというか、うん、君。」

「…」

モデル…かぁ。
憧れた事はあったけど。

「でも私は…」
「うっ…そこを何とか!」
「何とかって…そもそもモデルってどんな事するか分からないし…」
「ああ…じゃ体験だけでも。お願いします。」

…まぁ…頭を下げられては。

「分かりました。とりあえず体験してみたいです。」
「良かったぁ…ってお時間大丈夫だった?」
「あ、はい。街をブラブラして、時間潰して、晩ご飯どこかで食べようかと思ってたから。」
「?」
「…双子の妹が大会に出るの…」
「へえ!!」
「観戦しに行くと親から周りの人間から全部から妹と比べられるから行かない事にした。」
「比べるって…」
「…妹はテニスが上手くて明るくて美人。双子の姉は暗くて地味…地味になった覚えはないけど。」
「…うん、確かに服のセンスも良いね。お肌も綺麗だし、髪も綺麗。」
「っ!?…えと、そういう事は初めて言われました…」
「ふふっそう?」
「まぁ…昨日も妹と間違えられてラブレター渡されましたからね。そんで「君じゃない方の」って。」
「ええ…それはとても失礼だねぇ。」
「ええ、まぁ。」
「好きな事は?」

読書、手芸、料理全般。と、後はお香?」
「お香?」
「はい。リラックスするのに。アロマもするけど…」
「わぁ。俺もアロマ好きなんだよねぇ。」

へぇ…
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