アイドル

□ツキプロほのぼの
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あれから一年。
私は今もバイトだけど、ツキプロタレント専属のメイクアップアーティストになった。
美容に関しては悪いけど人より勝ってると思う。
最近のお気に入りはアロマセラピー。
いい香りだし。
ちなみに私の保護者は。

「灰月。…ん?女の子?」
「ああ、うちのバイト…バイトか?」
「…」
「バイトじゃないならなんなんだ。」
「うーん、もう正社員でも良さそうだけどな。とにかく俺が保護者を努めてる子。一応これでもツキプロ専属のメイクアップアーティストなんだ。叩き上げスキルが凄いけどな。」
「ほう。」

この人…確か音楽プロデューサーの…

「篁志季だ。」
「霧澤水華です。」

未成年なもんで灰月さんが保護者です。
蓋を開ければクソ親父が親交を絶った親戚でした。
思い起こせばなんとなーく小さい頃に会ったような?
写真は見たけど。

「親戚の子でね。で、俺が面倒見てるんだ。それよりも志季。また仕事詰めじゃないか?」
「いや。それよりも相談なんだがな。今度俺が楽曲提供してるアーティスト、今日撮影なんだがメイクがいないらしい。誰か借りれないか?」
「んー…」

皆お
忙しい人達ですよ?
だってツキプロ専属のスタイリストはちょー忙しいもん。
私もたまに目が回る。

「…おお。ここにいたな。暇なやつ。」
「え。」

いや、私この後部屋に篭って…

「どーせしばらく引きこもる気だろ。」
「ぐっ…」
「(引きこもる?)」
「しばらく担当がいないからってなぁ。てことで志季、バンバン使って良いぞ。」
「ちょっと!!!」
「いいのか?」
「保護者がOKしたから大丈夫。こいつの仕事スケジュールも俺が見てるからな。夏休みだから引きこもるなんざ許さん。てことで行ってらっしゃい。」

お、の、れ!!!

「…よろしく…お願いします…」
「あ、ああ。」

おっさんへの邪気を抑えられんでスンマセン。

「ぷっ」
「おっさん言うな。こう見えて志季と同い年だぞ?全く…」
「志季さんはかっこいい。おっさんはおっさん。」
「水華…」
「…」
「くくくっ…まぁ宜しくな。とりあえず俺はメシを食ってから行くんだがどうだ?」
「はい。」

おっさんに行ってきますスネ蹴りをかましつつ(避けられたけど…)志季さんについてきました。

「立ち食いそば…

「蕎麦が好きでな。…女の子が来るような所でなくてすまんな。」
「たまに来ます。蕎麦好きです。」
「そうか。」

これが、私と志季さんの出会いだった。
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