アイドル

□里津花お相手
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「はい。」
「あ、その…ごめんね…」
「いや…まぁオレもベッドじゃなくてソファで寝れば良かったけどね。眠気に負けちゃってごめんね。」
「うっううん!!」

彼、世良里津花君は小学校から大学まで同じクラスになったりならなかったりでずっと同じ学校にいた。
流石に高校は、と思ってたらいた。
大学も同じ。
今は学部全く違うんだけど。

「霧澤さん…医学部だよね?」
「うん。法医学者になりたくて。」
「へぇ…なんでまた…」
「昔、とてもお世話になったから。」
「…そうなんだ。」

法医学者に世話になるほどって思うでしょ?
実際にドラマみたいな事、あるんだよね。
まぁそれは置いといて。

「世良君は?」
「んー…特になりたい物とかはないな…強いて言うなら堅実な仕事に就きたい、かな。」
「えー?モデル上手く行ってない?」
「いや…そもそも芸能界って変動激しいからさ。」

相変わらず見た目と性格がマッチしてない人だねぇ…

「そっか。勿体ないな。世良君、かっこいいのに。」
「そうかな?オレみたいなのはいっぱいいるよ。」
「えー?そんないるわけないじゃん。世良君みたいに
真面目で優しい人。」
「っ…それ言ったら霧澤さんもだけど?」
「あははっそれ言ったらそれこそ私みたいなのはいっぱいいるよ!…まぁ…最近悩んでるけどねー…」
「?」
「…法医学…やっぱ向いてないのかな、とか。色々。」
「そっか。」

この日から。
世良君と何故か顔を合わせる事が多くなった。

あれから数日。

「…まずいなぁ…」
「あ、霧澤さん。」
「ん?あ、世良君。ごめん、ちょっと急いでる。」
「あ、うん。…」

ああ、もう、こんな日に!

「先生。お待たせしました!」
「ああ、大丈夫だよ。」

この日。
は、大切な自分売り込みの日。
にもかかわらずなんだこの忙しさ…

「水華、どしたの?」
「研究用のラットが逃げ出してて…誰よ鍵当番…」

まぁ可愛い従兄妹が良くハムスターを逃がしてたから後始末は慣れてたから良かったけどね。

「…では…」

今日来た先生達は実に多分野。
歯科医や外科医、などなど。
私は外科一択だ。
それが、一番法医学者に近いから。
だけど。

「…二十二番。」
「っ!!」

この日。
私は私の目標に再び出
会った。
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