アイドル

□うたプリ×ツキパラほのぼの
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どんよりと曇る街中。
ベンチで膝に顔を埋める。
これからどうしようかな…

「にゃぁ。」
「ネコ?ふふっ可愛い。」
「フニャァァ。」

そう言えば昔から動物には何故か好かれる。
特に何もしないのに寄ってくる。
動物園で、動物を寄せる。
初めて行った動物園で羊やヤギに囲まれて林檎さんが慌てて、龍也さんに助けられて…

「…味方は二人だけ…」

そう言えば私通信機器すら持たされて無かった。
私は愛されてないのかな…

「いた。ヤマト。」
「にゃあ。」
「勝手にいなくなっちゃダメだよ。」

ああ、この子の飼い主かな…
私、また一人になっちゃうね。

「(女の子?)ほら、ヤマト。」
「…」
「わっ!?」
「ちょっとヤマト…」
「にゃあー。」

がっしりホールドされてます!?

「…あ、雨。」
「ほら、おいき。」
「にゃー!」
「…ねぇ。」
「?」
「来て。」
「え!?」

ネコちゃんの飼い主であろう男の子は私の手を引っ張って走り出した。

降り出す雨。
ネコちゃん抱いて、手を引かれて。



「はぁっはぁっはぁっはぁっ…」


この人…体力ないっ!!!

「あ、あの…大丈夫、ですか?」
「うん…だ、だい、じょうぶ…」

全然大丈夫そうに見えない…

「…」
「わ!?」
「雨、強くなってきちゃったね。」
「そ、そうですね…」

上着を頭から掛けられた…

でも連れ去る事は辞めないんですね。

そして連れてこられたのは…マンション?

「ツキノプロ芸能プロダクション…タレント寮?」
「うん。」
「涙!!良かった…って…」
「迷子。」
「違うと思うよ!!」

迷子認定!?

「じゃなくてヤマトが離れてくれなくて。」
「にゃ。」
「あらら…」

この人見た事ある。
確か…

「Six Gravityの弥生春?」
「はいっ春さんです!じゃなくて!ほら、こっち来て!もうびしょびしょだねぇ…」
「うん。」
「…ふふっ」
「?」
「ううん。…でもなんで連れてきたの?」
「…曲。」
「うん?」
「今の作ってる曲にぴったりの声だと思ったから。」
「それで連れてきたの!?」

えと?

「あ、僕Procellarumの水無月涙。ヤマトは僕達で飼ってる。」

「にゃぁん。」
「本当に離れないね…」

とりあえず渡されたタオルでネコちゃんを拭いてあげる。

「…こら。」
「?」
「キミも。」
「わっ!?」
「…おやおや。」

涙さんにワシャワシャと拭かれた。
と。

「ホケキョ。」
「…ウグイス?」
「うん。春の友達。ホケキョ君。」

いや、ウグイスって野鳥…

「怪我したの面倒見たらいつの間にかねー。」

頭に乗られた…
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