婚活?

□トリップ
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「…めっちゃ田舎だな。」
「そりゃあ郊外区だもん。けどこの辺は果実酒が最近有名なんだよ。」
「なんで?」
「お姉さんが不良更生の為に用意した仕事が果実酒を作るのだったんだって。」
「不良更生?」
「この辺で盗賊してた人達。」
「お姉さんにこてんぱんにやられたんだよねー。」

本当、その「お姉さん」とやらはどんな人なのか。
いや、うちの食事情の救世主ではあるんだけど…
毎日野菜があるって…ここ野菜どころか色んな物が高いんだよ。
俺がしっかり働けたら…

「でもいきなり大勢で御迷惑じゃない?」
「いーからいーから!」
「お姉さんはそういうのあんまり言わない人だし!」

うん、けどそれは気にしない人では無いよな。

「一度はちゃんとお礼しておかなきゃ!」

しかしこの二人は何をそんなに浮かれてんだ?

「(上手く行けばお兄ちゃんに仕事が!)」
「(毎日美味しいご飯にもありつける!)」
「「「?」」」

本当にどうしたんだ?

「あっ見えてきた!」

そう言って弟が指したのは村の更に外れにある一軒の大きな家。
また大きい。
しかも後ろにも何かある?

「あっれーいちゃーんっ」
「あっお姉ちゃん!」

義妹が小さな子供目指し走っていく。
あれ?でも二人の友達って男の子じゃ…

「黎ちゃん、真治とお姉さんいる?」
「うん。今裏に動物の小屋建ててる。」
「それも作っちゃうの…」
「うん。なんかねー、お部屋が出来る木があるんだって。美味しい果物が出来るからそれ生やすって。」
「見たい!」

おいおい。

「いーよー。」

良いのか!?
連れられて来たのは家の裏というには離れた場所。
と言ってもすぐに来れたけど。

「メェー」
「メェー」

…ヤギにヒツジ。
そして

「コッコッコッ…ゴケッ」

いや最後の鳴き方おかしいだろ。

「おねーちゃーんっ」
「ん?」
「こーきくんたちきたーっ」

そう言って黎ちゃん(だっけ?)が近寄ったのは小さい女の子。
いや…女性。
か、可愛い…

「あら、浩太君美香ちゃん。いらっしゃい。…それと…」
「あっいつも話してる一番上のお兄ちゃんと2番目のお兄ちゃんとその嫁さん。」
「「こ、こんにちは。」」
「いつも弟と義妹がお世話に…」
「あぁ、いえ。」


っ…
ふんわり笑う姿も可愛い…です
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