婚活?
□トリップ
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何とか糸作りに慣れ始め、少しずつ身入りも良くなって来たある日。
弟の真治が友達とその彼女を連れてきた。
なんでも向こうでは夫婦だったらしく、仲睦まじい姿は羨ましかったりする。
が。
「…君達一応十四歳だって事忘れないでね…」
「「えへっ」」
とりあえず聞けば一番上のお兄さんはニートで。
2番目のお兄さんとその彼女(こちらも元夫婦)のアルバイト料で生活しているとか。
いやニートって。
で、一番上のお兄さんは前の世界では芸能関係だったらしく、地道な普通(あるのか?)の仕事は尽く続かないのだとか。
ちなみに私は糸が漸く均一の太さに仕上がって来てるので今度は布地を作り始めている。
もう少し慣れたらアルパカとか羊とか飼いたいなぁ。
うちの乳製品の使用率高いから牛や山羊も良いかも。
高いんだよ牛乳とバター。
で。
更に聞けばほぼ毎日肉と海藻(海が近いから)で生活してるのだとか。
そんなの聞けば。
「いっぱいあるから。」
「え…」
「でも…」
「うちは乳製品以外は毎日あるから、持っていって。野菜は大事。いつでも取りにおいで。」
「「あ、ありがとうございます!」」
それから今日はニートのお兄さん以外いないらしく。
うちでご飯食べさしました。
「久しぶりのお野菜だ!!」
「野菜って良い…」
なんて不憫な。
そして本当に二人は毎日の様に来ました。
そんなに身入り少ないのかな?
「そうですね、毎月のお給料が金貨五十。その内のほぼ全てが光熱費や家賃で。」
「中心部は何もかも高い…けどそんな貯金も出来ない状態じゃ引越しも出来なくて。」
「せめてお兄ちゃんが働けたら良いんだけど…昨日もなんか追い出されてたって聞いたし…」
それはどうかと。
「お兄ちゃん、真面目に働くんです。けど決まって誰かの奥さんが惚れるらしくて。」
「見た目はかなり良いんでお義兄さんは。」
それはつまりお兄さんに非はなく、周りの人のせいだって事?
「そうです。一応責任感とかそういう物はしっかり持ってまして。俺が四人を養わなければっとか言ってましたけど…」
「一番最初のトコがもう凄かったんですよ!社長の奥さんが家にまで押しかけてきたんですから!」
「うわぁ…」
「チャームとかいう力があるんですけどね。それがどうも意識しなくても発動してんじゃないかって
。一時期はちょっと引きこもりがちに。」
「あらまぁ。でもそうならない人もいるんでしょ?」
「ええ。」
「てことはそれはお兄さんのせいじゃなく、やっぱり周りの人のせいだって事じゃないかな。はー、尻の軽い女にはなりたく無いもんだ。」
「姉ちゃんは大丈夫じゃないかな…」
「ん?」
「いや…だって…」
「ん…?」
「(たった一人の声優に熱上げる位だから大丈夫じゃね?)」
な、なんなのよ?
「それにしてもお姉さん凄いお料理上手で…」
「そう?」
「というかこの魚は?」
「それは海に取りに行くよ?」
「毎日!?」
「うんまぁ。近いし。」
雑木林抜けたら海だし。
崖にはなってるけど、降りたらいい感じに岩場だから色んな魚が取れるんだよね。