婚活?

□トリップ
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「「「おいしい!!」」」
「ありがとうございます。」

荷物を片付けて、晩御飯。
水華さんのお陰で最近はとても良い感じの食事だったけど…
調味料が揃ってるって素晴らしい!!
と、響く何かを叩く音。

「あ、誰か来た。」

ノックの音なのね。

「はーい。」

ここは入り口のすぐ近くの部屋。
いわゆるダイニングキッチン。
各部屋には暖炉もあるし、浴室も綺麗だった。
と、話し声が聞こえ…

「ちょっ…ええ加減にしてよ!!なんでこっちにまで来て…」
「ええやろ!来い!」
「嫌っ離して!!」

なんだかこれは駄目な雰囲気だな。

「お兄ちゃん…」

義妹の不安げな表情。
うん、そんな顔しなくても行く行く。

「何事?」
「っ」
「あ?なんやお前。」

眼鏡の少し体格の良い…いや、言い過ぎだな。
少しばかり太った男。
と、顔をゆがめる水華さん。

「何って…ここに住んでるんだけど?で?「水華」に何の用?」

ごめんね、いきなり呼び捨てで。
びっくりした表情だけど、それを当たり前にスルーしつつ男の手首を握った。
身長は俺と変わんねえな。


「ここに住んでる?お前…水華と…」
「は?一緒に住んでる意味、分かんねぇ?」

手を払い除け、これまた失礼を承知で肩を抱き寄せる。
勿論彼女を男から隠す様に。

「てめぇ!」

案の定襲ってくる男。
格闘の心得があるらしくて動きは良い。
けど…俺も伊達に魔物で鍛えてない(暇過ぎて)。
最近の練習はカウンターだ。

「ぐぁっ!!」
「二度と来んじゃねえよ。」

予想外に飛んで行ったが、まぁお帰り頂くので気にしない。
と、気づけば何人か男がいた。

「な、なんやお前ら…」
「…はぁー?そりゃこっちのセリフじゃ。」
「最近姐さんの周りうろついてる奴がおるっつー噂、お前だな。」
「わりぃけど、姐さんに近づく奴は容赦せんぞ!」
「はっ離せ!離せや!」

男が二人の男に連れていかれる。

「で?アンタは?」
「だから一緒に住んでる…」
「ちょっと!ウチの大事な人(従業員)なんだから失礼はやめて!」
「!!!?」

…うん、多分それ従業員って意味なんだろうけど。
誤解されるよ?

「てか…姐さん?」
「…大事な…人…」
「そう!大事な人(従業員
)!!」

うん、確実に誤解してるよ、彼。

「まぁ…姐さんが認めた人なら…」

誤解…してるね、あれ。

「姐さんを泣かしてみろ!ただじゃおかねえからな!」
「え…」
「そんな事になったらウチがアンタをただじゃおかへんわ。」
「ひっ…えっと!とりあえず…料理用と普通のワイン出来たんで置いときます!!あと他の果実酒も!」

怯えてる…あ、もしかして更生された盗賊?
そりゃ姐さんになるわな。
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