婚活?
□一
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あれから数時間。
「こんなもんかな。」
布団を干し、シーツを洗い、壁から床までピカピカにして。
「そう言えば食器は?」
食べ物を食べたり飲んだりするのに欠かせないもの。
掃除をしていてもなかったけど…
「ん?」
ふと、テーブルの上に何かあるのに気付く。
紙?の様だけど…
覗き込んで見ればそれは。
「…見取り図?」
どうやらこの家の物のよう。
あるなら先に出しなさいよね。
「これがここ…これは二階。…あ、地下とかあるの?」
どうやら、地下室があるようで。
そう言えばドアが一つ付いてた。
てっきり勝手口かと思っていたから開けてすらなかった。
「…鍵、掛かってますけど。」
その鍵は勿論ない。
「ん?文字が…」
紙にすぅっと文字が浮かぶ。
「何々?能力を駆使して下さい?だからその能力って何よ。」
と、段々増えていく文字。
「…貴女の能力は自然と超能力?は?なにそれ?」
そして浮かび上がる詩のような文面。
「…燃え盛るもの…火ってこと?流れるもの…これは水?」
立っているのもしんどいので座る。
私に与えられた能力は、火、水、風、土、氷、木、金、雷、念力、瞬間移動、透視、過去未来視
。
魔女か私は。
「とにかく…やるしかなさそう…」
ため息一つ、私は勝手口と地下室の階段に繋がるらしい扉へ。
「使えったってねぇ…どうやって使うんだか。」
試しに「開けたい」と念じてみる。
が、何も起きず。
「…」
そう言えば透視があったっけ。
一度目を閉じる。
息を吐き、パチッと開ければ見える景色が変わった。
「…森?いやいや、向こう行き過ぎでしょ。」
なんとか見える景色を後退させて。
途中荒れた畑も見つけた。
いやいや、見たいのは畑じゃない。