□転生令嬢
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「その、改めて…クリスだ。」
「レティシアです…」

庭に来てお茶。
としたけどそもそもわたくし人付き合いが苦手なのよねぇ…
いや、貴族同士の付き合いが、だね。
一人例外もあるけど。

「…その…すまない。」
「え?」

なんで謝る?

「元はと言えば俺が実力を付けられなかったから婚約に至った、から…」
『ああ、私がもっとちゃんとしてれば…』

なるほど。
まぁこれも世界が違えどある事なのかもしれない。

「それは違うと思いますよ?」
「?」
「多分…遅かれ早かれ、クリス様でなくても婚約を申し込んでくる人はいたと思います。侯爵様も仰っていたでしょう?わたくしが師団のスカウトを蹴ったって。」
「ああ。」
「この婚約は、最もらしくクリス様の将来の為…と言いながらも師団長であられる侯爵様がわたくしを手元に留めおく為の手段でしかないと考えます。わたくし魔術師でソロ冒険者としてSランクまで来てますから。」
「っ!そうか、格好の良い手札だったという訳か…」
「ええ。なので、謝るとしたらクリス様でなくわたくしの方ですね。巻き込んでしまい申し訳ございません。」
「いや、君のせいでもないだろう。これは、貴族故にある事だからな。」

それもそうだね。

「まぁ婚約状は提出されて婚約式までと言っていましたから今更回避は不可能でしょう。」
「そうだな。」
「…なら、気持ちを切り替えて前向きに考えましょう。そもそも何故騎士団では実力がと?剣術クラスではそれ程不足とは思いませんでしたが?」
「周りが卓越した天才ばかりではな…」
「あらぁ…んー…剣術スキルはありますか?」
「勿論だ。が、最近は中々増えない…」

スキルとかステータスは見れます。
流石魔力世界。
ゲーム仕様です。
でも現実なんでね。
必死ですよ。

「だとしたら…もしかしたら剣の資質が違うのかもしれません。ショートソードでしたか?」
「あ、ああ…剣の資質?」
「ええ。剣と言ってもショートソードだけでなく細剣や大剣もあるでしょう?」
「しかし扱いずらいとは思わなかったが?」
「んー…初めて剣をお持ちになった時何を思いました?」
「ん?………少し、少しだけ重いと思ったか…」
「ならば、ショートソードと一般細剣の間の細剣ですね。特殊細剣系統です。」
「…」

ん?なにか?

「いや、良く分かるな?」
「ああ、冒険者は効率良く依頼をこなす為には作成系統職をやる場合があるんですよ。鍛治は苦手ですが一応鍛治職スキル習得はしていますので。」
「なるほど…だから向きが見つかるかも、か。」
「ええ。ではまずは。鍛冶屋に行ってみましょ。」
「…今から、か?」
「あ、何かご用事がありましたか?」
「いや…大丈夫だ。」
「なら行きましょう。こういうのは案外こういう流れの方が良いものを手にできるもんですわ。」
「…あ、ああ…」

さっさと行くわよーっ

「…」
「?何か?」
「普通は、ドレスを着替えて馬車では?」
「…」
「?」
「外にも出れるドレスですし!」

うん!いつも通りにしちゃったわ!
まぁ徒歩の方が早いしね!

「ここはわたくしの行きつけの鍛冶屋ですわ。ガンツー。」
「おう、お嬢か。珍しいな?レオンとは違う連れか?」
「うん。ちょっと剣を見せて欲しいの。細剣系統全部。」
「おう、そこの棚辺りだよ。」
「ありがと。」
「…良いのか?」
「そもそも冒険者をしている間は一応平民で通していますし。わたくしもですが。」
「そうか…」

あれこれ見る。

「…なるほど、言った意味が分かった。」
「?」
「細剣、しっくりくる。だがこれは違うな…」

と、試す事全部。

「む…終わってしまった…」
「ここにあるものが違うとなると…困りましたね…」
「…お前さん。」
「?なにか?」
「ちぃとコレ持ってみな。」
「?…っ!これは!」
「ガンツ、これは?」
「試しに作ったモンだ。三つの使い方が出来る。」
「特殊剣ということ?」
「ああ。」
「…、細剣、チェーン…魔法剣、か?」
「ご名答。お前さん、魔術資質がありそうだからな。」
「…そんな事誰にも言われた事は無かったな…」
「俺はドワーフだぜ?人間より魔力の流れってのは見れる。今日の夜城に持っていくつもりだったから運が良かったな兄ちゃん。」

ほー!

「ね?良いもの見つかりましたでしょ?」
「ああ…城に持っていかれていたら出会えなかったな。」

騎士団はもうお辞めになられているから城に寄贈されたりすると使えなくなるからね。

「それじゃあ…次です!」
「次?」
「武器を見繕えたのなら、今度はその武器にあった防具が必要では?」
「そうだな。」
「細剣なら軽プレートかやたら防御高い服だな。軽プレートならあるが…」
「いえ。俺は元々素早さが高くプレート系は使っていません。」
「なら、防御高い服だな。…ここに行け。」
「?」
「ああ、エルグリンデの仕立て屋?」
「冒険者専用の服装備専門の、な。ま、手入れはきっちりしろよ。」
「…ありがとうございます。」

なら、ご案内ね!
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