□異世界転生
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「い、いかん…楽しみすぎて暗くなり始めている…これはお母さんのお説教に…」

属性取得がまぁまぁ楽しくて。
やはり前世のラノベ・漫画家の知識は素晴らしいと感心する。
いや…そんな事言ってる場合じゃない。
お母さんのお説教は長いんだ…

「…おろ?」

昼間見たカニエビくん。
全く動いていない。
大きさはわりと大きいな…私乗れるくらいある。

「…っ!君怪我してるの?」
「…」

と、カニエビくんのお腹のところに。

「きゅ…」

青いホタテ貝に、小魚?
いや、水棲魔物なんだから水の外はダメでしょ。
明らかに弱っている。
砂浜の水辺は…ダメだ、カニ共が占拠してやがる。
海は…多分この子達にとっての脅威があるから戻らないんだろうし…
と。
羽音?

「うげ…オルドクロウ…」

カラス共の親玉…あれ?なんで一匹なんだ?
大抵オルドクロウの周りには下位のクロウが一緒に飛んでるのに…しかもあのオルドクロウ…なんか頭に付いてない?

あ、やべ気付いた。
早くこの子達連れてかなきゃ。

『待て、人の子。』
「…喋った!!!」
『当たり前だ。我はエンシェントオルドクロウであるからな。』

へ?

「オルドクロウ、じゃないの?」
『エンシェントオルドクロウだ。クロウの王である。』

なんと。
あれか、シフトチェンジというものか。

『いかにも。それよりも…その者共、怪我をしている上に弱っておるな?』
「うん。だからあそこに連れてこうと思って。」
『上の滝つぼか。まぁ、妥当であるな。』

鳥魔物は更に上の崖の所にいるからね。

滝つぼ3段階あるって面白いよね。
2番目の滝つぼは雨凌げる上に地味に岩肌があって濡れない。
良き。
魔力そのものを纏わせて動かす。

「よっ!」
『ほう。』

よし。
もう真っ暗になった。
お説教確定だからこの際この子達の看病を優先させる!

「薬草…あるのかな…」
『あの木の実、成っていれば体力回復に良かったのだがな。』

なぬ!?
今はなってないから無理。

「…、そういえば光属性って回復術も使えるんだっけ?」
『うむ。我の苦手の属性だがな…』
「クロウ系は闇属性だもんね。」

光かぁ…それで回復術って結びつきにくいけど…
んー…いや、待てよ?
それこそ前世の知識が唸る時!!

「…」

イメージする。
切られた細胞が引っ付く治癒の根本。

『これは…』

イメージしながら魔力を流す。
と、キラキラの光が舞って、傷が回復した!

『初級魔術ヒール、無属性魔術修復、無属性魔術顕微を取得しました。』

おろ?
ヒールは分かるけど…無属性魔術?
まぁここは良いや。
淡水でも大丈夫そう。

『オパルか。』
「オパル?」
『うむ。海のカメレオンと呼ばれる保護色を持つ見つけずらい魔物だ。岩場に生息していてな。海藻とオインスターが主食だ。』
「へぇー。」
『それと、真珠を作るパールーンに、水空両用のバタフライフィッシュだな。海の蝶と呼ばれる者だ。』

海の…蝶??

『ヒレが蝶の羽根に似ているのだ。』

ああ、今閉じてるもんね。
それにしても…とりあえず思いついたやつ全部魔術取得に属性取得…光属性はまだだけど…したけどこんなにホイホイ取得出来るものなのかな?
空間魔術に空間属性取得もしてるし…
…うん、考えても分からん。
とりあえず今はこの子達のご飯だね。
貝と海藻がそれぞれ主食。
ここにはない。
だが、海藻は見た事ある。
売ってるからね。
普通にサラダにスープに入ってる。
漁港の方にも行ったことあるから見てる。
木属性は植物を生やせる。
海藻は海の植物だ。
生やせるかな?

「よし、生えた!」
『(この子供…色々と資質がおかしい…魔法だけでこのような現象を起こせるなど…)』
「はいどーぞ。」

パコっとパールーンが食べた!
中身真珠みたいな感じだったな。
3匹それぞれ眠ったみたいだ。
焚き火を作って、即興でツタで編んだテント(とは言い難いもの)に入る。
なんせ雨は凌げても滝の水飛沫はあるからね!

今年、5歳になる。
5歳は教会で洗礼を受ける。
それで一番強い属性なり職業なりが分かる人もいる。
使い勝手がとても良いのは空間属性だ。
それと威力的には氷と雷が良かった。
まぁ光と闇以外取れたから満足である!!

朝。

「あっ!皆元気になった!」
「きゅ!」

元気なので波打ち際まで連れて行ってあげようとした。
だけど…なんで海に入らないの?

「きゅ。」
『ふむ。どうやらお前に恩返しがしたいようだ。』
「別にそういうの良いんだけどなー…」
「きゅ。」
『まぁ無理矢理でもついて行く気のようだな。街に戻れば従魔術を学ぶと良い。』
「ほほう!…一緒に行く?」
「きゅ!」

パールーンもパコっとしてるし、バタフライフィッシュは私の頭に引っ付いた。
確かにヒレ広げたら蝶みたいだね。
この時完全に忘れていた。

お母さんが怒るととてつもなく怖い事に。


「レティシア!!!」
「…」

帰ったら当然、しかも一晩姿を見せなかった為に街の男衆だけでなく依頼に出てなかった冒険者も総出で探していた為に大騒動になっていて。
正座で五時間も説教食らった…
今日はお父さんも一緒で…しかも大広場のど真ん中だった…
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