□異世界転生
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「っあーー!仕事の後の一風呂は格別よねぇ!」
「母さん今世じゃなにしてんの?」
「んー…その前に、あんたどれくらい今の世界理解出来てる?」
「んっと、世界には魔力が満ちてて、生き物は全て魔力を持ってて…今は能力者って呼ばれてる?あと魔物いる。」
「そ。残念な事に私はそういう世界だと戦ってきた前世を思い出すの。前世の家族は魔力ない世界の時の家族。魔力ある世界では別の家族になるわ。」
「じゃあ婆ちゃん達に会えないのか…」
「まぁ今世では婆ちゃんの他に爺ちゃんもいるけどね。ちなみに今あんたは五歳ね。」
「うん。」
「私は25歳。」
「おお…」
「現在日本には自衛隊とは別の戦闘部隊が存在する。日本軍特殊戦闘部隊ね。略されて特務隊とは呼ばれてる。私はそこの一部隊員。階級は軍隊とまぁ似たようなもんね。やる事は自衛隊と変わらないわ。ただ、そこに戦争も含まれてるけどね。今世では日本はアメリカの植民地ではなく、独自に今の体制を築いている。だから昔より古民家は多いわね。」
「ほー!」

そういや昔一緒に古民家に泊まったことあったわね。
いやぁ…薪の竈は難しかったわ。

「特務隊の構成は、戦闘員・救護員・支援員・諜報員の四業種から各部隊に配属になる。強さや能力強度順に第一から第五まであって、その中で小隊で各地に散るの。」
「母さんは?」
「第一部隊。」
「それって…一番強いとこってこと!?」
「まぁね。その中の第二小隊。小隊といえど20人くらいはいるけどね。」
「それってエリート中のエリートって事だよな?」
「だから稼げる。ただ、そんな訳で何日も家に帰れない時もある。その時は実家に行っててちょうだい。まぁ家に居ても良いけど、襲撃者とかいるから…」
「えぇ!?」

いや、家には結界張っとくか。

「能力というけど魔術もあるから勉強はしときなさい。…ああ、五歳だと幼稚園?」
「…」
「あ、そういや部隊員の子供専用の保育サービスがあったっけ。基本的に住むのは特務隊の本部がある敷地ね。今はマンションタイプに住んでるわ。これね。」
「おぉー…」
「ここが本部ね。こっちは居住区画。居住区画のこのマンションね。」
「たっか…あれ?この通路敷地の外?」
「そう。ここもゲートね。こっちは商業エリアになってて、敷地の外に出る時はそれぞれのゲートを通るのよ。」
「へぇー」
「まぁ結構人数多くてひとつの街くらいあるから段々学校とか色んな店やら出来てるからあんまり敷地の外には行かないかな?カラオケとかマンガ喫茶とかもあるし。結婚して子供もいる所が増えたから公園なんかもあるし。」
「へぇーっ海沿いで山もある…」
「まぁどっちも半分は訓練場だけどね。」

中の移動もモノレールと車だしね。
そろそろ上がるか。

「大広間での食事…朝はバイキングなのか。」
「近くの牧場や畑で採れたものを使った…」
「副隊長。」
「矢北。ご苦労さま。」
「いえいえ。」
「あれ?俺に慰労の声掛けは…」
「お前は支援員なんだからやって当たり前だろ。」
「そんなぁ…」
「まぁまぁ。それにしてもいきなり九州に行くって驚きましたけど…拓馬君は五歳なのに礼儀がしっかりしていますよね。」
「(ドキーっ)」
「うちの自慢の息子よ。」
「いやいや…さっき引き取ったばかりでしょ。」
「そのツッコミ癖、なんとかしないとマジで命落とすぞ。」
「そうだよ?変なのに目付けられるわよー。仕事終わったし飲むわよー!」

今世でもバッチリ強い方だからね!!





「酒に弱い男ってどうよ。」
「いやいや、副隊長が強すぎなんですよ…」
「強い奴は酒にも強いのよ。明日は各々自由、帰りに集合ね。」
「はい。では失礼しますね。」
「(消えた!)」
「矢北はテレポートの能力持ってるからねぇ。」
「俺にもあるのかな?」
「勿論よ。もう少し落ち着いたら鍛錬みたげるわ。」
「っ!うん!」
「さ、寝るわよ。」
「はーい。」

能力、か…
最近じゃ記憶あるから作業でしか無いわね。
拓馬は初めてだからワクワクしてる。
こりゃ即寝だな。

「すかーーー」
「そういうとこは変わってないわけね。…今世では成人見届けてあげたいな…」

前世では長らくの独り身生活のせいで身体を壊して高校生活に伸び伸びさせてあげられなかったからね。
今度こそ、ちゃんとやるわよ。
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