仮
□転生令嬢
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合鍵を渡された。
あれ?一個だけだよね?
「複製魔術というものさ。」
「なるほど…」
「さて…時間的にはまだまだ余裕がある。ならする事はなんだろう?」
「…買い物。」
「ん?」
「ここに住むなら料理する為の道具必要。庭の手入れもするならその道具。あと掃除道具?」
「ふむ。掃除道具は要らないかな?」
え?
「まさか基本的な事すら教えていない貴族がいるとはね…貴族は必ず五歳になったら魔法訓練を行う。基本的な魔法訓練…いわゆる生活魔法というものだ。」
なに!?
「魔力があるのは分かるかい?」
「はい。ここにあるあったかいの。」
「そう。それを使って火起こしから簡単な浮遊操作をするんだ。」
ほおおおう!
フィアンさんに教えてもらって、掃除が出来るようになった!
「うん。これがあるから貴族はある程度清潔さを保てるんだ。」
「…平民もやれば疫病抑えられるんじゃない?」
「そこまで考えられる頭のある貴族がいないのだよ。」
そっか。
「よし。これで掃除はクリアだ。まぁ料理と庭の道具は買おうか。どうせ鍛冶屋行くし。」
「?」
「君の、武器を見繕わないとね。冒険者に欠かせないものだ。」
「っ!!」
「鍛冶屋には10歳で登録する子供の為、資質検査も出来る。」
おおっ!!
ファンタジーだ!
「それとそれに合わせた防具だな。さ、行くよ。武器と防具を揃えたら登録だ。」
「はい!!」
「教会以外でステータスが見れる唯一の所が鍛冶屋とギルドだ。覚えておくんだよ。」
「はい。」
なるほど…
で、やってきた鍛冶屋。
「いらっしゃい。武器か?道具か?」
「そのどちらもだよ。」
「あん?」
「この近くに家を買った所でね。料理が出来る道具と庭の手入れに必要な道具一式。それと、この子に冒険者登録させるから資質検査を頼みたいね。」
「…」
一瞬怪訝な顔をされた。
まぁ10歳だけどちゃんと栄養取れてなくて小さいからな。
「まぁ、やってみな。」
出された水晶玉。
「そこに魔力を流すんだよ。」
「はい。…」
おおっホログラムで色々出た!
とはいえ名前と年齢とレベルとステータスくらいだけど。
ただ、武器の所に何かマーク?
結構ズラズラと出てるけど…
この?ってなに?
「ほぉう?こりゃ珍しい資質だな?」
「そうだね。」
「?」
「一般的に、近接職と後衛職は同時に取りずらいものだ。剣士がサブで弓を持つが、そもそもそれも資質あってではなく資質なく使ってるだけ。こうして出るのは生まれながらに出ていたという事で、それは結構珍しい。しかも完全近接の格闘職に魔術師?聞いた事ないね。」
「いや、他国じゃ稀にあると聞いている。ここじゃあまりねぇがな。兄ちゃんも良く知ってるな。」
「知り合いに戦える人間は幾らかいるからね。それに弓?ますます面白い。しかも特殊武器適正とはこれも珍しい。…君の親というのは随分頭が足りてないみたいだねぇ?」
めちゃくちゃ悪そうな笑顔で言われても。
「ちょっと待ってな。ああ、弓はそこにある。手に馴染む物を…ああ、待てよ?特殊武器表記だったな。…おい、裏からアレ持ってこい!」
「「「へ、へい!」」」
アレ?
「特殊武器ってのはこういう表記ないと使えねぇから売れねぇんだわ。ああ、それと調理道具一式と庭道具一式だ。」
「へい。」
で、ズラズラーっと並べられた色んなもの。
「まずは…コイツだ。魔力流してみな。」
「?うん。」
まずは腕輪が沢山並べられた箱?
言われた通りにしたら…
「転がってきた!!」
「特殊武器ってのは合う魔力じゃねぇといけねぇ。格闘職だから両手両足の4つだな。ちなみにこれは魔術の要にもなる。」
魔術の要?
「いわゆる魔術師の杖と同じ役割をするものだね。」
「おおーっ」
「コイツらはかなり珍しい。格闘職にもだが、魔術の他に製薬向きの奴にも寄っていきやがる。慣れてきたらこの先に薬屋がある。そこで手解き受けな。」
「はい!!」
「お次はコイツらだ。」
これ…まさか変形する弓?
「おう。さっきと同じように魔力流してみな。」
「ん。」
そしたら銀色の弓が浮かんだ。
あれ?他のよりなんか幅がある?
「まさに特殊、だな。これも魔術の要にもなる。しかも近距離から超長距離用の弓だ。」
「驚いた…そんな弓がある事は聞いていたが現物を見るとは…」
「まぁ特殊武器の括りだからな。近距離はここから少し開く。まぁ要は魔力の流し具合で変わるってやつだ。」
おおおお!!
わたくし凄い!!
「で、最後。この箱だ。魔力流しな。」
「ん!!」
流して出てきたのは…棒?いや細長い三角錐だ。
「はは…コイツに気にいられるたぁマジで凄い資質だな…」
「これは…まさか鍼?と、指輪…かな?」
「そうだ。魔導武器とも呼ばれるものでな。使い方は至ってシンプル。魔導武器は全て魔力流せば勝手に複製される武器の事だ。こいつは主に刺す事を目的に作られた武器。」
あれ?よく見たら太い方に穴が空いてる?
「だから、特殊武器。鍼は面白いもんでな。「針」の括りならどんなものでも出せる。まぁ縫い針出す為に穴開けてんだよ。こっちの指輪はいわゆる操糸輪ってやつでな。糸を出せるスキルがあるって事だ。」
おおおおっ
「詳しくスキルを知りたきゃ教会行きな。」
「そうだな。」
武器いっぱい。
これだけで凄いテンションアガるーっ