ユーリ夢

□一
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どうして…

どうして?

私は何も…

「何とか言えよ!!」

言って、今のあなたは私を信じない

だって皆そうだったもの

だから…そうね…

「それが、本当だったらどうするの?」
「っ…」
「決まっている…」
「やらせねぇよ!!」

……………………
刃が私の体を斬る。
ねぇ、これが違うって分かったら、あなたはきっと自分で絶望するんでしょうね。
そうね、


皆苦しめば良いわね


「私が違うって言ってもそれすら信用しないのに言える?」
「っ!?」
「ふふっ絶望するのはあなた達よ…っ!」

あぁ、血が…
私の血が流れる。
だけどごめんなさい?
私死なないのよね。
だぁれも知らない秘密。
さて、「あいつ」はいつ来る?
せめて意識のある内に来てもらいたいものだけど。

『ミズカ…』
「…誰…?」
『もう限界です…あなたはそこに居ては…』
「ふふっありがとう…どこかの誰かさん。」
「お前…誰と…?」

ジャリッと音がする。
目を向ければあいつがいた。

「良くやってくれたね。」
「あんたは…」
「神様?どうしてここに…」

違う違う。
そいつは神様なんてものじゃないわ。

「漸くお前の死に顔を見れるな。」

ふっ…アハハハハハ!!」
「!?」
「気でも触れたか?」
「そうね、気が狂っているのは昔からよ。あんたが私の大事な物をぜーんぶ壊してからは。でもね、気が触れるのはお前達の方よ!」
「何?」

さあ、この危機…脱せるものならやってみることね!

「時の神クロノスよ!古の契約の元我を時空の彼方より喚ぶものの元へ!」
「貴様!?」
「悪いけど、死ぬなんて…無理な話よね!我に仇なせし呪縛は返り咲きっ…ごほっ…」
「ぐっ」
「神を騙りし愚かな者へそれ相応の天罰を与えたまえ…」
「そっそれは古のっ!貴様!!」
「我が子の決断を認められぬ、愚かな母にそれ相応の天罰を与えたまえ…」
「あなたっ」
「なっ何が起きて!?」
「…聖母マリアよ、汝の親たる者へ、汝を汝と認められぬ愚かな親へ、天の怒りを届けよ!!」
「ま、マリア…」
『わたくしには、既に親はおりません。あなた方は最早わたくしの親ではない。』
「あなたは私のっ」
『…聖母マリアの名に於いて、ここに天の怒りを届けましょう。』

揺らぐ地面。

『偽りを信じ、真実を認められぬ者ならば、生きる意味がある?』
「なに!?」
『…人の子、そなたらは重罪を犯した。それはそなたもだ、
未来の月の子。』
「!?」
『…わたくしの最後の告知者、人の身で在りながら神となりし娘水華。そなたらは神を…神話なき女神をその手に掛けた。最早人を護る女神は居らぬ。壊れゆく世界で己の罪を思いしるがいい。』

…最後に聞いたのはマリアのその言葉だけだった。
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