新世界

□仮
1ページ/19ページ

数多ある星々。
生命が生まれた星は僅か。

だけど。

何度も歴史を繰り返す星はこの地球しかない。

何度も何度も歴史…いや、壊れては再生を繰り返す地球。
只の人間は知らない。
そしてこれからも知る人は少ない。

だけどただ一人。
地球が壊れ再生を始めた事の始まりを知る人間はいる。


それが再生の力を持つ私だ。


これは長い永い私の人生の中の物語。




朝が来る。
それは一日の始まり。

「…?」

だけどおかしい。
いや、おかしくは無いのだろう。
だって私さっき輪廻転生の術を使ったから、目が覚めたという事は輪廻転生を果たしたのだから。
だけど。
永い戦いの記憶を有するのは決まって世界が危機に瀕した時。

産まれて直ぐには戻らない。
その時代に順応する為だ。

なのに今見ている私の手は明らかに赤ん坊だ。

「おはよう、水華。」
「あ、う?」
「ふふっ不思議そうね?」

顔を覗かせたのは、かつて私の魂というものを作った神…時空神クロノスの妻であり、世界最強と言わしめた魔王サタンの妹、魔王ディアナ様だ。

「少しばか
り、変わったのよ。」

何が。
と、ふと感じた波動。
これは魔力?

「気づいた?世界に満ちる魔力を。」
「…」
「再生したこの世界では魔力を持つのは当たり前なの。人間もね。」

繰り返されてきた歴史が変わった?

「魔力と魔術が残って科学と共に発展してきた。消える筈の魔力が。」

と、ディアナ様が私を抱き上げる。
やはり赤ん坊だ。
そして抱えられたまま、窓辺に。
窓の外には見馴れた、だけど知らない街並みが眼下に広がっていた。

ん?
高い?
ここ、高層マンションなの?
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ