新世界

□特殊混合
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崩壊した世界、エンド・クリエンス。
神々はそう呼ぶ。
別に人間が滅ぼした訳じゃない。
だけど、滅びた。

だから私は誓う。


私の世界を滅ぼした元凶を必ず倒すと。
その為には私自身が人間であってはならない。
人間では制約が多すぎる。

私が選んだのは神とも魔神とも呼ばれる存在の娘となること。
まぁそれは今までと変わらないので気にしない。
使えた能力もそのまま。

変わったのは相棒が居なくなってしまったことだけ。


『水華。』

厳しく、そして誰よりも優しかった二匹。
もういない。
それは、それだけは淋しさを覚えてしまう。
だけど立ち止まらない。
想いは同じ。
誓う事も変わらない。

「…見てて…ティアマト、ニアラ。絶対にアイツを倒すから。」

その為にはまず、アイツが入り込んだ世界を学ばなくてはいけない。

「水華よ、お前は時の魔女となった。…まぁ今までと変わりはないがな。」
「…変わらないわ。」

けど変わった事もある。
修行の為、もといアイツを探して入り込んだ世界で出会った人達はとても優しくて。
心を閉ざした私が、心を開けたのは
その人達のお陰。
まぁ…元々人付き合いは苦手だけども。
それでも昔の事を思い出して苦しくなる事は少なくなった。
攻撃の幅も大幅にアップしてしまったけど。

「ところで…水華よ。」
「なあに、お父様。」
「何故あの二人まで…」
「…私が狂わせてしまった世界で溢れた魂…私が面倒見るのは当たり前な気がするけど。」
「うむ…いや、あれは必然的な事。気に病むな。確かにあの二人は生きながら理の一部となってしまったが…」
「でも世界の一部たりえぬ魂は世界を破滅に導く。二人があのままいたら暴走してしまうのでしょ?」
「うむ。」
「だったら連れてきた事は問題無い。むしろ良し。」
「…強引過ぎぬか?」
「だぁって私はお父様の娘だもの!それくらいしないとね!」
「…」

一番初めに行った世界で紛れ込んだつもりだったのにその世界の運命…つまりはストーリーに組み込まれてしまった。
お父様に助けてもらわなきゃどうしようも無かった。
それは反省。
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