歳の差

□仮
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とある昼下がり。
俺はショッピングモールでブラブラとしていた。
別に欲しい物がある訳じゃないけど暇だったから。
ちょっと休憩のつもりで座っていたら。
小さな子供が何度も前を行ったり来たりしていた。
その表情は段々と泣きそうになっていて。
迷子だと確信した。
周りに人はいない。
と、べちっと転けたその子供はもう泣き出す寸前だった。

「大丈夫ー?」
「う…」

目に涙が溜まってるけど、堪えているのか泣きはしなかった。
おっ偉い子っ
てかお母さんは?

「よしよし、ほら立てるー?」
「…」

…反応薄っ
あれだ、人見知りってやつかな。

「うーん、迷子になっちゃったのかな?」

その言葉にまたうるうるし出す。
迷子決定だね。

「よし、お母さん探そう!」
「おかあさん…」
「うん!さー、お兄さんとまずは案内所に行こーか!」
「…」

え、なんでそこで凝視される!?

「おにーさん?」
「そう!お兄さん!」
「おじさん?」
「違うよ!!」

う、うん、ほら小さな子供からは大人はね。
おじさんだよね!
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