異世界渡航

□蒼井君と美風君と、そして私。
1ページ/110ページ

世界には不思議な事っていうのはたくさんあって。
私が経験したのもその一つ。

例えば。
朝目覚めたらマンション(ちょっと古い)にいたり。
住人が私含め三人しかいなかったり。
母子家庭…は変わらないか。
幽霊とか見えたり。
私の遊び場所は警察庁だったり(お母さんエリート警察)。
子供だったり。
幽霊とか見たり殴ったり。

いきなりでびっくりしたけど、なんとか馴染めてます。

そんな小学生なある日。

知り合いのおじさん(イケメン弁護士)が家に来た。
何なんだろうと思っていたら。

「…お母さん?」
「すまん…すまん水華…」
「くそ!!くそぉ…」

事件の捜査中、私のお母さんは殉職してしまった。
十三人連続殺人事件の最後の被害者が、自分の母親になるとは。

「君が成人するまで、このマンションは俺が見る。…まぁ家賃収入は期待しない方がいいな。」
「隣のおばあちゃんと二人だもんね…」
「ああ。それから咲子さんの遺言通り、咲子さんの生命保険、それから全ては水華ちゃんが相続人。成人までは俺が管理。そこまではいいね?」
「うん。」

そもそも小学生では何も出来ん

マンションはお母さんが安く買い上げたうちの所有物です。
成人したら私が管理人です。
管理資格取らなきゃな。

「必要な物があれば言ってくれ。それから毎月月初めに生活費…いや、危ないな。毎週月曜日に一週間分の生活費を渡しにいこう。何故咲子さんは…咲子さんが殉職しても君を施設には入れないのか…聞いているかい?」
「ううん…」
「そうか…せめて父親が誰か分かればな…認知すらされていないとか…」

完全な母子家庭でした。
突然一人になってしまったけど、そもそも最初…いや、私の最後の記憶は「一人暮らし」だ。
だが、古くてもリフォーム済のこの部屋は私の唯一の居場所。

「…大丈夫だよ。ちゃんとやれる。だって中身は大人だもん…大丈夫。」

霊感があるけど、お母さんを見る事はなかった。

しばらくして、隣のおばあちゃんと話すようになった。
たくさん話して、おばあちゃんにも身寄りはいないと分かった。
それから、イケメン弁護士のおじさんと三人でご飯食べたりなんだり。
そうしている内に私は小学校5年になった。
お母さんが居なくなっても変わらない生活。
だけど変わった事もあった。

き部屋だった隣の部屋に、春から大学生のお姉さんが越してきたのだ。
最初の一、二ヶ月は学校にバイト。
頑張るなーと思ってたけど、その内学校に行かなくなった。
ばあちゃんも心配してた。

それからしばらくして、あんまり覚えて無いけど、その女子大生のお姉さん、ミヨさんは夜の仕事に行きだした。
疲れ果てた様子のミヨさんにばあちゃんの心配も頂点に。
で。
私が学校に行ってる間に何をどうしたかミヨさんはばあちゃんの所に来るようになった。
それから、変な四人の晩ご飯が始まった。
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ