異世界渡航
□仮
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昔から、1人だった。
意味もなく傷つけられ、1人だった。
子供の頃、一人だけ、私に優しくしてくれた人はいた。
だけどその人もいない。
無意味に時を過ごす私。
『ねぇ…あの子ってさ、なんかキモくない?』
そこからいつも始まる。
私としては普通にしているつもりなのだが。
『ねぇ、ちゃんと学校行ってる?高いお金払ってるんだから…』
払ってるのは親ではなく国から支給されたお金だ。
私は母が嫌いだった。
大人になるにつれ嫌悪も増していった。
仕事の上では愛想のいい奴ら。
裏では人をコケにしてくれた。
いい事はない。
悪い事は考えない。
そうして無難に生きてきた。
それがある日を境に一変した。
ある日。
私は異世界という所に連れてこられた。
私だけじゃなく、他にも。
アニメだとかそんなのは好き。
ファンタジーも好き。
だが自分が体験するなど誰が思うだろうか。
まぁアニメファンならヨダレものだろうが。
そんなこんなで私達は元の世界に戻るために、いきなり飛ばされた洞窟を進む事にした。
かなり傍から見たら素晴らしい光景である。
な
んせ男の割合の方が高いから。
ふっ…うたプリ羨ましいぜ。
「ほら、春歌ちゃん。しっかり休みな。」
「で、でも…」
「休みな。」
「はい…すみません水華さん…」
「そんな事気にしない。」
現在女は三人。
私、うたプリ主人公七海春歌。
そして…
「きゃっ」
「ただの虫。大丈夫だよ!」
「あ、ありがとぉ音也くん!」
男に媚び売る魔性の女梨花。
なんとも分かりやすい。
あの女はここに来た途端男共を誑かす方に向いた。
私達はモブでいろと言い放ったのだ。
「…」
「心配?」
「え…まぁ…」
「大丈夫じゃないかな。」
ああいうのはすぐバレるもんだ。
私は必然的というか春歌を護る位置にいる。
ま、今まで一人だったから私は問題ないし。