異世界渡航

□二
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あれから何年も過ぎた。
私はもうすぐ十七歳歳。
浩輔君ももうすぐ十八になる。
薬もたくさん出来た。
キャラバン隊のお陰で街の人は増えて、街は大きくなった。
一番大きな出来事は、その移住者の中に亡国のお姫様がいて。
そのお姫様をベイジェル王が娶った事。
もうすぐ跡継ぎが産まれる。
医者も様々な分野が増えて、生活はより安定した物となった。
それぞれの部族ともこれといった争いもないし、平和な時がこの大陸にのみ流れていた。

「魔王…か。」

ここに来た時から争いが絶えない他の大陸。
だがそれは魔王がいたからだ。
広いこの世界の一番北の山岳地帯はその魔王の領土だ。
世界の問題はこの魔王に絞られ、今は魔王対策が各国で練られているとか。

「ここにいた。ミィ、お昼だよ。」
「わっ!浩輔君!現れ様に抱き着かないでよ!!」
「や。昨日イチャイチャしそこねた!!」
「そ、それは…先に寝ちゃう浩輔君が…」
「やっぱりちょっと飛ばし過ぎたかな…という訳で今日は体力温存します!」
「しなくて良い!!」

生活の安定で余裕が出てきて。
早い人はもう結婚して、赤ちゃんが出来てる。
私達も…母さん達のせいでほぼ無理矢理同棲というものをする
事になった。
昨日から。

「まぁーとにかくお昼にしようよー。俺腹へった。」
「…はいはい。」

そうして私達は家に飛んだ。
今じゃ村から村なんて簡単に飛べるんだ。
瞬間移動の飛距離は伸びたからね。
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