□仮
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西暦2100年。
科学技術の進歩により、人類は進化を遂げた。
クリーンなエネルギーを求めた人間は、古来より人に宿るとされる力を万人が発動出来るように研究が成され、結果人間はそれらを苦もなく発動出来るようになった。
そして、地球が抱える問題が解決した現在。
様々な人々が求めたのは、更なる刺激だ。
一時期はそれの探求が為に犯罪が増え、死ぬ人も増えたが、新たに世界の国々は制度を作った。
それがバトルシステムだ。
例え捨て子だろうと、必ず個人通信端末を与えられる。
様々なデータを記録するもので、お金のやり取りでさえこの端末が必要だ。
それには必ず個人戦績の欄がある。
幼少から自身の能力育成をし、将来の職なりに繋げていく。

ただ、バトル専門で稼ぐ人もいる。
それがバトルシステムの一端である。
ニアライズと呼ばれる端末は必ず装着型である。
また外部機器として様々な物もある。

だけど、市民の生活なんて殆ど昔から変わらない。
多分これからもずっと。



今年始め、高校二年生へ上がる事で漠然と将来を考えていかなくてはいけないと学校の先生から言われた。
そんなものよく分からない。
進路も考えていかなくてはいけないこの時期に、なんとも楽観的な母親は新しい彼氏を家に連れ込んだ。
子供の事なんて考えてないんだ。
母さんはいつもそう。
お父さんとの離婚も「やっぱあたしには向いてないわ」で離婚。
お父さんはそんな母さんが嫌だったから不倫もしていた。
当然、私の引き取りも拒否。
まぁそもそもお父さん家にいなかったしね。
何しても褒めた事なんて無かった。
それから母さんは実に様々な男を連れ込むようになった。

今回のは一番ヤバいかもしれない。
だって、私を見る目が気持ち悪い。
と言った所で頼れる人もいない。
昔から隠すという事をしない母さん。
デリカシーもない。
つまり、幼い頃からどうやったら子供が出来るかなんて知っている。
知識としてならそこらにある。
ネットにはそういうのも沢山ある。
快楽の一つとしても存在するから。
ただ、高校生になるとやっぱり気になる事でもある。

夜の公園で空を見ながら、この後どうしようか悩んで。
とりあえず雨降りそうだから別の所に移動しようと思った。
とにかく「ここ」から離れたかった。

ふと気づけばオフィスビル開発区画に来ていた。
ここは昔なんらかの異常があったらしく、建設中のビルがそのまま放置された区画だ。
チームバトルをする人達の根城にもなっている。
その中の一つ、どうやら何故か電気設備が生きているビルがある。
自分の能力数値は低いものの、わりと使い勝手は良いのでそういうのは分かる。
雷を操れる。
自然エネルギーを扱える能力者は個人的に年間通して一定の支給額がある。
一つの能力につき、ランクがどの能力も決まっていて、支給額はランクに応じて決まる。
Fが一番下で、SSSが一番上。
雷はわりと日常でも使ってるからC。
Cだと10万位。
Fだと五千円って聞いた。
生まれ持った能力数値が高い人もいる。
わりと私は低めからそこそこの所。
そして私は自然の能力が幾つかあって、どれもわりと使ってるからCランク。
結構お金貯まってきてる。

というかビル群の所って高速道路も作ってたのかな?
なんか所々崩れてたりするけど道路が上と下あるな…
電気設備が生きてるビルの内、人のいない区画端っこのビルに来た。
中心地はチームが根城なのをいい事に商店街みたいなのがあったな。

塀に囲まれたわりと広い敷地。
高いビルと平たい建物が同じ敷地にある。
繋がってるから工場とかになる予定だったのかな?
ビル群でも自然に近い所は工場が多くなるって感じだし。

一歩入れば。

「わっ…未所有の区画…販売?」

あ、そう言えば放棄地区ってチームの拠点にするのにチームへの販売があるんだっけ。

「あ…でもここ所有権二人制だ………ま、いっか。」

半分お買い上げとしておこう。

「ええとなになに?半分の所有権の為工場区画とビル区画地下三階から地上三階まで所有権が発生…これ地上何階?…へぇ17階まであるんだ?…製薬工場になる予定だったんだぁ…へぇ…」

今後買いたい人が現れたら私と所有権のあれこれがあるから話し合わなくちゃいけないんだね…
広域売買じゃなくて示談売買にしよ。
高校生になるとこういうのも出来るから有難いよね。
成人は18歳だし。

とりあえず私の避難場所にしよう。
そうと決まれば…
色々作り替えちゃお。
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