大家族

□蒼井翔太ほのぼの
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「…」

大阪、日本橋。
大阪一の電気街にして大阪のオタク聖地。
で、私は一人ビニール袋を手に歩く。

「糸…まさか無くなっているとは…くっ…在庫整理が追いつかんっ」

もう一件、回る。
そのお店にはアニメイトを素通りしなければならない。
くっ…時間的余裕が!!
いや…自分でやっちまった事だから仕方ない。
と、遠いアニメイト方面を見る。
すると…

「うわ!?」
「!?」
「ご、ごめんっなさい!!」

ぶつかられて転けた。
びっくり。

「蒼井くーんっ」
「っ!!!すっすいませんでした!!」
「…蒼井君?もしかして似てると思ったけど…蒼井翔太?」

遠ざかる彼をぼんやり見ていたが。
鞄にビニール袋(小)が。

「!?」

やばい!!
あっちの袋は無くしては困る!!!

「っ…待ってー!!!」
「(追いかけてくる!?)」

とりあえず死にそうになるけど全力で追いかける!!
何とか追いついた時はもう追っかけの女の子はいなかった。

「はぁっはぁっはぁっ…あ、あの!」
「はっはい!?」
「す、すい、すいません、その、鞄…リュックに、
私の…」
「へ?…ビニール袋?」
「そ、それ…仕事、の…はぁ…はぁ…」
「あ、あの大丈夫?」
「だい、大丈夫…です…すいません、それ無いと、困るから…」
「あ、それで追いかけて…ごめんなさいっ」
「い、いえ…」

息上がるわー。
だめだ、完全な運動不足だわ…
と。

「蒼井君こっち来た?」
「「!?」」
「えー?そう?そっちラブホだよー?」
「そうなの?」
「うん。あっち探そ。」
「「…」」

二人でそろりと上を見れば。
がっつりラブホだった…

「うっ…取れない…」
「え…」

とりあえず、もう一回逃げよう!
じゃないと落ち着いて取れない!!

「こっち!」
「え?」
「良いから!こっち!」
「はっはい!」

とりあえず訳分からない彼を引っ張っていく。
辺りを見回して…
ここなら…
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