内緒の時間

□仮
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この学校には、二人の有名人がいる。

「ねーレイジー。今日遊びにいかなぁい?」
「行かねぇ。」

一人、東雲怜士。
イケメンの上ケンカ負け無しのヤンキーさん。

「悠真くーん。今日駅前のカフェオープンなんだってぇー。」
「知ってるよ。綺麗だよね。」
「ねー。一緒にどーお?」
「ごめんね、また誘って?」
「もういっつもそれじゃん!」

秋吉悠真。
やんちゃ弟系で人気。
たまーに毒を吐くけどそれすら人気を加速させる。
巷ではモデルしてるとかなんとか?

二年になって、同じクラスでも騒がしくて困るのに。

「「あ、霧澤さん、ごめんねー?」」
「(わざとだろうが)…大丈夫。」

よりによってこの二人に挟まれる形で隣の席になりやがった!!

初めまして!
私霧澤水華です。
二人のイケメンに囲まれ昇天する所か毎日地獄です。
イケメンはやっぱり遠くから眺めるに限るんだよね。
さて、学校では地味を貫き通していますが…

「…」
『はい、米田です。』
「あ、米田さん。水華です。」
『ああ、先生。どうですか調子は。』
「一応書き上げはしました。後でチェックお願いします。」
『分かりました。あ、先生。もしかしたらどっちもオファー来る可能性があります。』
「ぃよしっ!!」
『もう少し、頑張ってください。あとちゃんとご飯食べてくださいよ?』
「はーい。」

こう見えて何作か映画化してる小説を書いてるいわゆる原作者ってやつです。
ジャンルはサスペンスとファンタジー。
今度なんでもいいから映画化決まれば今年も税金しっかり納税出来ますね!

いやー今日は気分がいい!とてもいい!
そういう時は!!

「こんばんわー!」
「おう、らっしゃい!やけに上機嫌じゃねえか?」
「んふーっまた映画化しそうなのです。そんな情報が来たので気分上がったのでチャーシューメンチャーハンセットで!」
「はいよ。」

作品はそれなりに売れてはいますが、普段締めとかないとなのでチャーシューメンは嬉しい事とかあった時食べるのだ!

「んー…次はどんな…」
「チャーシュー、チャーハンセットのチャーハンお待ちどう…」
「ありが……」
「「……」」

え、いや、え??

「おう、先生どした?」
「あ、ああ新しいバイトさんですか?」
「?おう。昨日からな。元々別のとこでラーメン屋経験あるからな。即戦力ってのは良いねぇ。」
「…ども。」
「アリガトウゴザイマス…」

いや、何故今度は私の生活圏内に現れた、東雲怜士君…

「?先生?」
「昔からここを家族で利用してくれてる常連で超お得意さんだ。それがかたや人気役者、かたや超売れっ子人気作家さんだもんなぁ。」
「超売れっ子…に負けてるからそれなり売れっ子だけどね。今度の映画化は譲らねぇっ」
「ははは!」
「へえ…作家なのか。学校じゃ全然そんな風に見えなかったぜ。」
「学校で執筆なんて出来ないじゃん。特に今両隣がうるさいもので。」
「…悪い…」
「いいえー?ただ、香水臭い女の子はどこかにやってくれると嬉しいかなー?」
「来んなっつっても来るんだよ…」

てゆーか…

「タオル似合うね…」
「そうか?」

Tシャツの袖捲ってるし…うん、流石喧嘩するだけはあるよね。
筋肉が付いてるって言うか…

「なんだよ。」
「いや、ラーメン屋にいるとは思わなかったから…」
「そうか?」

中々いいキャラしてますな!
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