アイドル2

□Growth昂輝
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ある日。
俺は恋をした。

それは俺が18歳、Growthとしてデビューした頃だった。

あの日俺はいつもの通り皆のご飯の材料を買いに来た。
そこで一人の女の子に出会った。

ふんわりとした印象の子だった。
パッと見は…里津花さんに似ていると思った。

それからしばらくはその場所…近所のスーパーで見かけて、何となく挨拶する様になった。

それから半年。

「「あ。」」

同じ食材を取ろうとして、手が触れた。

「「…」」

それがきっかけだった。
彼女と話す様になった。

「水華。」
「昂輝君。」
「今日は……また読めない…」
「ふふっ今日のは試作だから。」

彼女は食に関する仕事の様だ。
良く試作、を作っている。

他愛ない話をする内に、感情が膨れた。

「…水華。」
「?なあに?」
「その、だな…ええと…」
「???」
「つ、付き合って、ほし、い…」
「…うん。」
「っ…」

そんな感じで、出会って1年目で俺達は付き合う事になった。

そして俺は漸く水華の仕事を知る事が出来た。

水華の仕事はパティシエだった。
ただし、パティスリーではなく、星が付くようなレストランのパティシエ部門の、シェフだ。
料理も出来る。

修行の身だなんて言っても俺から見ればすごい料理人だった。

「…水華。」
「はい。」
「その…き、キス以上は、20歳になったら、する!」
「は…え、うん?」
「け、ケジメだからな!」
「(真面目だなぁ)うん。」

まだ10代、しかも事務所を変わったばかりだ。
Growthも軌道に乗ったと言い難い。
そんな中で皆に迷惑は掛けれない。

19歳になった時、互いの両親に挨拶した。
水華のご両親もとても優しい人達だった。
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