アイドル2

□SolidS
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正月。
それは私にとっては最悪の行事である。

「「「明けましておめでとうございます。」」」
「…明けましておめでとうございます。」

はい、今日もこの挨拶だけで終わりそうだね。

「さっ初詣行くわよー。」
「「「「はーい!」」」」
「…」

私には夢が2つある。
一つ。
モデル。

初詣は2つの願い事をする為に行く。


「よ。あけおめー。」
「…」

コイツ、彼氏。

「…」
「ん?なんだ?」
「…はぁ…」
「んだよ…元旦から縁起悪いため息つきやがってよー。」
「あらぁ。貴文君!」
「あっ明けましておめでとうございます!」

はい、今年もかね。

「…」

神様神様。
どうか今度の通知こそは合格でありますように。

神様神様。
どうか。

「誕生の祝われる元旦になりますように。」
「「「「…」」」」
「あ?なんか言ったか?」
「別に。」

これは神様にお願いしてる訳じゃない。
「周り」に向けたお願いだ。

さて。
そろそろ帰るか。
友達、バイトの人達(ここはあまり期待してない。)家族、彼氏。

はい、
年初めってのは大事。
今年も平々凡々で終わるのか。
っていつも燃えて駄目なことが多いんだから。

「…ね、お嬢さん。」
「?」
「元旦から景気悪い顔ですよ?」
「おいおい。」
「は。」
「…ふふっ相変わらず元旦嫌いだね、水華。大きくなって…」
「「それはおっさん臭いぞ。」」
「酷い…志季にだけは言われたくない…」
「お前も酷い。」

ん?
この人達…SolidS!!!?
ん?んん?
私なんでそのSolidSのリッカに話しかけられ…って名前!?

「………っ!!!?」
「あれ、もしかして…まだ気づいて無かった?」
「…リッカ…お姉ちゃん…」
「まぁあの頃は女装もしてたから…」

待て待て!?
私の夢の出発点、の「リッカおねえちゃん」…

「…すみません…撮影でしか会ってなかったもので…」
「ふふっいいよ。そんな気してたから。…水華。」
「?」
「誕生日、おめでとう。もう17歳、だったかな?」
「っ!!!」

まさか、思ってもみないところで、私の願いが叶いました。
っていうかこんな人混みでアイドルいていいの!?
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