アイドル2

□ツキプロファンタジー
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世界には不思議があるもんで。

「せ、成功した!!」
「ようこそいらっしゃいました!聖女様方!!」

トリップは本当にあるようです。





この世界は魔法と剣の世界。
この世界には聖女召喚という魔法があり、四人の女の子を召喚するという魔法がある。

それに付属する騎士というのも召喚される。
聖女にはそれぞれ特色がある。

人を癒す聖女。
その魔力と武を持って召喚した国を護る聖女。
大きな魔力を持って素晴らしい魔法を使う聖女。

…そして、特に名前すら残らなかった「名も無き聖女」。

どうやら私はここらしい。

「…」
「ホンットやな感じ。最初から決めつけやがって。」
「押さえろよ。」
「ま、元の世界に帰るのにあちらさんが頑張ってくれんだろ?」
「と、言っていましたけど…」
「っていうか…ボクと…えと、中原さんはいいとして、あなた方は普通の人ですよね?落ち着きすぎでは…」
「「「「まぁ、何とかなるかな、と。」」」」
「…」

他の聖女と召喚された騎士もたくさんいる。
私と一緒に召喚されてしまったこの人達には申し訳ない。

「…すいませ
ん…私がミソッカスだったばかりに…」
「有名人も今やその辺のヤツと同じ、だもんなぁ?」
「あはは…水華ちゃんのせいじゃないし気にしなで。」
「そーそー。あれは頭おかしいここの奴らだけだろ。」

特に四人組。
ええと中原さんと敦君は違うけど(いや、なんかありそうだけどこの人達)SolidSだ。
アイドルだ。
優遇されても良い人達だ。

「…ええと。城にいても特に有益ではなさそうですので出ていこうかと。」

部屋から見える三聖女とオマケの四人めの聖女の石像を眺めながら、言ってみた。

「確かにな。」
「けど…俺達SolidSは普通の人間だった。そちらの二人は魔物がいる外に出て問題は無いが…戦う術がない俺たちでは心許ない気もするが。」

それは。

「外に出てから励めば良いのでは?」
「「「ん?」」」
「つまり。ゲームでいう所の1からレベルして行こーって?」
「ええ。城に居ても、有益ではありませんし。」

同じ言葉を繰り返す。
皆に向き直りながら。

「…私、ゲームではどっちかっていうとダンジョン周回して素材集めてってする職人系なんですよね。現実…家もそうだし。

「ん?」
「なので。大好きなクラフト系をしたいと思います」
「向上心があるのは結局だが…戦えるのか?」
「…それも経験、かと。経験しなきゃ出来ない訳で。…それに。わざわざ居心地悪い場所にいる必要もありませんし。」
「強いねぇ。ま、それは俺も賛成。」

豪華な装備のあちらさん達とは違って。
私達はお粗末にも程がある装備しか貰っていない。
対応の差よ。
埋めるには?
自分でやるしかありませんから。
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