アイドル2

□SolidS里津花相手
1ページ/19ページ

双子、というのは困りものである。
男の、ではなく、どちらも女であるなら尚更。

私、霧澤水華は。
その事にて悩まされ続けている。

「…」
「あ、えと、俺が手紙を書いたのは…君じゃなくて…その…」
「…」

またか。
双子だから、靴箱を間違えられるなどはかなり頻繁である。

「私、の靴箱に入っていたけど。」
「…ご、ごめん…けど呼び出したのは、君じゃない方…で…」

だったら。
間違えるな。

私の双子の妹、凛華は。
見た目が良いと評判である。
が。
一卵性双生児である上に見分けがつかないという条件で、私はそれでも「暗いブスの姉」なのだ。

「…だったら。間違えないでいただけるかしら。私は水華よ。」
「っ…」

あと、もう一つ。

こういう事は昔からだった為。
こういう事態に於いての私の目付きの悪さは折り紙つき、らしい。
フルネーム書いてんだから間違えんじゃねえよ。

私と凛華は正反対。
運動が得意な凛華。
対して私は料理や手芸が好き。
本を読むのも。
だから暗いと言われるのは心外なのだが。
部活をしている凛華はそれだけでヒーローなの
だ。

「みっずかー!」
「りん。」
「…どした?何かあった?」
「またあんたに間違えられたわ。腹が立つ。」
「ええ!?それって昨日靴箱に入ってた手紙の!?」
「そうだよ。」
「…なんでフルネーム書いて間違えるんだろう。まっそんな失礼な人とはあたしも付き合わないけどー!」

あっそう。

「わ、霧澤凛華だ。今日も可愛いー。」
「対して霧澤水華は今日も暗いなー。」

普通にしてるだけなんだけど。

「んじゃまたねー!」
「…」

教室に入ると。

「相変わらずの評判だねぇ。」
「別に。気にしてない。」
「まぁ水華が暗く無いってのも付き合わなきゃ分かんないわよねー?」
「なー。」

比較的。
クラスの人とは仲良しです。
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ