アイドル2

□ツキプロファンタジートリップ3。
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「ここに来たという事はアンジェに会ったのかしら?」
「うん。なんなのあの子。昔各国の巫女から教わった巫女としての仕事もちゃんとしないで。」
「…」

巫女の中でも破天荒な人はいるが、あんなのはまずいない。
特に民衆からお金を貰うだなんてのは以ての外だ。

「あの子は…世俗が捨てきれないのよ。」
「いや、捨てきれない人も何人か見たけど…自分で稼いでたよ?」
「ふふっあれはオリアナ位だわ。」
「他の国の巫女?」
「うん。何年かに一人位召喚されるんだ。エレアナさんを始めここにも数人の巫女がいたよ。」
「今は巫女長様があちらに残られアンジェを見ているわ。ただもうお年だから気になって…」
「でも…そんなに巫女がいるならどうしてこんな事態に?」
「それが…私達にも分からないのよ…ある日突然アンジェを慕う民たちが私達を追い出して…王の計らいでここに来たのだけど…」

何にしても。
さくっと洗礼済ませたいんだけどな。

「洗礼?」
「さっき言った武器だよ。でもあれは大教会の聖泉でないと出来ないし…」
「ここにはないの?」
「それをするならまず閉鎖された聖泉の元栓を開かないと。地下ダ
ンジョンは…行きたくない…」
「何言ってんのよ!あたし達の武器の為でしょ!?」
「だって地下ダンジョンにはヌメヌメのヤツが多いんだよ!?」
「「え。」」
「でも…地下ダンジョンに巫女が行かなければ元栓も開けれないのよねぇ。」
「嫌だぁぁ!!」
「大丈夫よ?ヌメヌメはいないけど…」
「ほらー。」
「うぐっ」
「代わりにアンデッドが今はいるわ。」
「「ホラー!!!」」
「アンデッドが?何故ですか?」
「十二年前の実験のせいで、ね。地下への入り口は封鎖したんだけど…あれから二年ほど経った十年前、サリー達が奇妙な音がすると言って、私と王子様とで調査に出たの。地下の実験施設は封鎖したけれど…当時の院長の執念からか、アンデッドがたくさん生まれてしまって。」
「うへ…」
「…院長はね、悪くないの。ただ、心を病んでしまっただけなの。」
「サリーさん?」
「わたしが孤児院に捨てられた頃…ここの子供が盗賊に惨殺された事があるの。院長が隣町に行ってる間に…院長は元々はお医者さんだったから、お金のない人を見て回っていたの。…わたしだけ、井戸に落ちて無事だったけど…皆死んじゃって…院長は禁忌の魔術を研究
し始めた…皆を蘇らせるのに…」

なるほど…その魔術がどこかに残っちゃったんだね。
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