アイドル2

□SolidS里津花相手
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とある晴れた春の昼下がり。

「俺と結婚して下さい!!!」
「は、はいっ!?」

いきなりプロポーズを見知らぬ人からされました次第で。

「い、いや…私、あなたの事知らないです…よ?」
「はっ!!…す、すいません…色々と言葉が…」

とにかく何か事情がある様なので話を聞く為に喫茶店に入った。

「え、と…先程は本当にすいません…」

帽子を取った彼は。

「っ!?」
「えと、その…SolidSの世良里津花、です…」

アイドルが何故白昼堂々のプロポーズを!?

「その…お恥ずかしい話しですが…」

話を聞くと。
なんでも最近身の回りの人間からそういう人間をみたいなせっつきがあり。
なおかつ色々な事が綯い交ぜとなり、結果思ってもいなかったプロポーズに。
自分でも驚いたそうだ。

「ホントはその、ナンパしようかなって…した事無いけど…」

ああ、なるほど。
でも何故私?
自分で言うのもなんだけど…そんな可愛い人間じゃないけど。

「?あ、いや…なんとなく、優しそうな人だなぁ、と。」
「…そんな事、初めて言われましたよ…」
「え?そう?」

良く見た目がキツい。
お局様、なんて。

「きっちり仕事しそうな感じではあります。」
「…まぁ、きっちり仕事はしますけど…」
「あー、でも…」
「?」
「うん、ふんわりしたガーリーテイストも似合いそう。」

そう、ふんわり笑った彼。

「そ、そうです?昔頑張って着たことはありますけど散々貶された覚えが…」

彼氏、と思っていた人にね。

「…それは、見る目が無かっただけの事じゃないかな、と。その、変な事に付き合わせてしまったお礼に…良ければコーディネートさせてください。」

ま、まぁ…それは嬉しいけど。
そんなこんなで今度はショップへ。

「あ、私霧澤水華と申します。」
「あ、ご丁寧にどうも…」

OLですのでそれ位は。

「お仕事はスーツ?」
「いえ、私服です。さっきの一件からこういう…感じに…」

所謂フェミニンテイストってやつ。
無難にね。
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