アイドル2

□SolidS翼
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24歳。
もうすぐ幸せ絶頂のある日。

「…」
「ね、あの人荷物落としたよ?」
「具合悪いのかな?顔青いよ…」

荷物も落とすよ。
なんせ、なんせ。

「っ!?み、水華!?」
「?浩史どうしたのー?」
「な…な…」
「い、いや…これは、その…」

結納も済ませ、後は挙式…だったのに…
とりあえず…

「っ…」
「な、なんなの、いきなり写メるとか…」
「あ、ああああの…」

ごめんなさい。
お世話になってる方からのご紹介なんだけど…

「…水華先輩?」
「水華…?…」
「(男!?)」
「(やだっイケメンっ)」
「…翼くん…」
「…なに。どした。」
「おじ様に、ごめんなさいって…」
「あ?」
「折角ご紹介頂いて…来週挙式だったんだけど…このお話しは無かった事にって…連絡する…」
「…あぁ?なに、お前。水華と婚約したのに、浮気?」
「はぁ!?ちょっと何言ってんの!?浩史はあたしと付き合ってんのよ!?」

ああ…もう勘弁して?
私…こういうの嫌だからお見合いをお受けしたのに…

「…なに。お前、俺の、幼馴染み、貰っといて…浮気とかふざけん
な!?」
「あっ馬鹿!!」
「…うそ、あれSolidSのツバサじゃん…」
「え、あの美人ツバサと幼馴染み?」
「てことはあの人ダイ?」
「…水華先輩、大丈夫っすか?」
「そう、見える?」
「…すんません、真っ青っすね…ちょっと静かな所行こ…」

大くんもごめんね…

「…ああ、親父?俺。俺今スゲー場面に出くわした。水華、の、婚約者?っての?俺の目の前でちょー浮気してんだけど?そう。」
「はっ…翼くん!良いの!良いのよ!?」
「良いわけねぇだろ!結納終わってんだろ!挙式って事は色々決まってんだろ!…あ?…ああ、分かった。」

ん?

『やぁ高橋君。』
「ひっ!!!しゃ、社長!!!」

おじ様!?

『君の仕事ぶりが評判だったので水華君の相手にと考えたが…私の見込み違いだったという訳だな。…高橋君。』
「はっはい!!!」
『明日、荷物をまとめたまえ。来週から滋賀に異動の辞令を出す。』
「は…はいぃ…」

別にお別れするだけで良いんだよ?

「ばーか。あんなの仕事でも要らねぇよ。水華久しぶりー!」
「うん。」
「てことでー!大ちゃん、水華も入れて行こー!

「は?ああ、まぁ…はい。荷物。」
「ああ…ありがと…」
「お?白葱?玉ねぎ?麸?…牛肉?」
「お前勝手に見んなよ…」
「水華何これ。何つくんの?」
「えーと…今日すき焼きにしようと…」
「なにそれマジで!?俺食いたい!」
「お前な…」
「二人はどこか行くの?」
「大ちゃんが人気のカフェに一人で行けねぇから。いつもの。」
「あらぁ。」
「違う!!」
「違わねーしっ」

でも今ここで翼くんに会えて良かった。
多分一人なら帰れたか不思議な所だ。
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