アイドル2

□SolidS志季
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「フィッチ?」
「ラフ。」

サーブの決め方はテニスと一緒だからね。

「よっしゃ。サーブ権貰いっ」
「別にいーよ、勝てるから。」
「相変わらずスポーツ万能発言だなぁ…ま、唯一の欠点はカナヅチ…」
「あっ大さん!クロール100m泳げるようになった!!」
「おう。毎週プール行ったかいがあったな。」
「おおお…」

報告報告。
んじゃやりますか!

◇◇◇

「ふっ!」
「は!!」

目の前ではかなり本気の試合。
皆揃ったよ。

「うわすげ…」
「っしゃ!!」
「っ…はぁ…流石に離れると無理かなぁ。」
「いや、練習しねぇで俺に付いてくんなよ…」
「ふふん。」

まぁ水華楽しそうだし。
家族の事はびっくりしたけど。

うん、ここ、旅館だよねぇ?

「水華!これに勝ったら俺と付き合って、よ!!」
「絶対っ嫌!!」

なんていう会話!!

「い、良いんですか?あれ…」
「ん?義弘君は小学校入学式からあんな感じだ!」
「「そ、そうなんだ…」」

でも…なんで卓球辞めちゃったんだろう…
こんなに強いなら…

「…まぁうちの…仕事のせ
い、だな…」
「仕事?藤次郎さんのですか?」
「いや。俺じゃない。息子…水華の父親も役者だからな…まぁ兄との差もあったんだろうが…」

そう言った藤次郎さんは寂しそうに笑った。

「確か宇宙センターにお勤め、なんですよね?」
「おお。水華から聞いたのか?」
「ええ。」
「以前に。」
「まぁな…兄は頭が良いからな…手塩にかけて育てた。…まぁNASAの大学費用もあったから…仕事を増やさなければならなかった。となると水華はほぼ放置になってな…あまり水華の傍に両親が居れるというのがない。だから、初めての大舞台で、優勝しても一番褒めて欲しい人間がいない。聞いてもあまり、だったからな。いつしか水華は何事にも熱意を持つという事がなくなっていった。だから志季の元に押しかけて行ったのが驚きでな。あれ程近づくのも嫌だった事務所に向かったというのもな。」

そっか…だから、役者オーディションの申し込み用紙を…

『受かるの分かってるもん。』

確かに。
これは苦労しなくても、だね。
まぁ来るの分かっていたみたいだけど。

「くそーーー!!負けたぁ!!」
「ふふん。」
「相変わらず天才め…


か、勝っちゃったの?
水華…強いよ…
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