アイドル2
□SolidS志季
22ページ/22ページ
「フィッチ?」
「ラフ。」
サーブの決め方はテニスと一緒だからね。
「よっしゃ。サーブ権貰いっ」
「別にいーよ、勝てるから。」
「相変わらずスポーツ万能発言だなぁ…ま、唯一の欠点はカナヅチ…」
「あっ大さん!クロール100m泳げるようになった!!」
「おう。毎週プール行ったかいがあったな。」
「おおお…」
報告報告。
んじゃやりますか!
◇◇◇
「ふっ!」
「は!!」
目の前ではかなり本気の試合。
皆揃ったよ。
「うわすげ…」
「っしゃ!!」
「っ…はぁ…流石に離れると無理かなぁ。」
「いや、練習しねぇで俺に付いてくんなよ…」
「ふふん。」
まぁ水華楽しそうだし。
家族の事はびっくりしたけど。
うん、ここ、旅館だよねぇ?
「水華!これに勝ったら俺と付き合って、よ!!」
「絶対っ嫌!!」
なんていう会話!!
「い、良いんですか?あれ…」
「ん?義弘君は小学校入学式からあんな感じだ!」
「「そ、そうなんだ…」」
でも…なんで卓球辞めちゃったんだろう…
こんなに強いなら…
「…まぁうちの…仕事のせ
い、だな…」
「仕事?藤次郎さんのですか?」
「いや。俺じゃない。息子…水華の父親も役者だからな…まぁ兄との差もあったんだろうが…」
そう言った藤次郎さんは寂しそうに笑った。
「確か宇宙センターにお勤め、なんですよね?」
「おお。水華から聞いたのか?」
「ええ。」
「以前に。」
「まぁな…兄は頭が良いからな…手塩にかけて育てた。…まぁNASAの大学費用もあったから…仕事を増やさなければならなかった。となると水華はほぼ放置になってな…あまり水華の傍に両親が居れるというのがない。だから、初めての大舞台で、優勝しても一番褒めて欲しい人間がいない。聞いてもあまり、だったからな。いつしか水華は何事にも熱意を持つという事がなくなっていった。だから志季の元に押しかけて行ったのが驚きでな。あれ程近づくのも嫌だった事務所に向かったというのもな。」
そっか…だから、役者オーディションの申し込み用紙を…
『受かるの分かってるもん。』
確かに。
これは苦労しなくても、だね。
まぁ来るの分かっていたみたいだけど。
「くそーーー!!負けたぁ!!」
「ふふん。」
「相変わらず天才め…
」
か、勝っちゃったの?
水華…強いよ…