アイドル

□お兄ちゃんな里津花さんと私。
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「…本当に高1?」
「はい!」
「…ごめんねぇ。見えないわ…」
「っ!!」

私霧澤水華。
小学生ではありません。
れっきとした高校一年生なんです。
が、学生証を見せても保険証を見せても。
そして漸く取れた原付の免許見せても。
誰にも信じてもらえない…
悲しい。

と、言う事でバイトの面接を尽く落とされました。

「…」

まぁ家は裕福ですがね。

「くぅ…」
「おやおや?また面接落ちたのかい?」
「くぬぅっ何故誰も信じてくれないっ!!」
「まぁねぇ。その身長じゃあね。」
「…」
「店長!雇って!?」
「いやぁうちはもう手一杯でねー。」

店長一人じゃん!!

「つか身内は雇わん。」
「くそ兄貴め…」
「(見た目はいいんだがなー…身長だけがなぁ。)」

出る所は16歳にしたら出てますよっ
ちゃんと大人の身体になりつつあるのです!
なのに身長が伸びないのは如何なものか!!

「でももうすぐ140!」
「…」
「無言で撫でるのやめて?」
「不憫でなぁ…」

このアロマカフェは従兄弟のお兄ちゃんがやってます。
なので良くここで勉強
してる。

「…勉強してる。」
「おう。励め、高校生。」

もうすぐ期末だし頑張る。

◇◇◇◇

「…」
「ん?ああ、気になります?」
「え?ああ…あはは…」
「まー、身長だけは子供ですけど。あれでもちゃんと高校生ですよ?」
「本当に伸びてないんだ…可愛いのになぁ。」
「ははっありがとうございます。」

最近見つけた癒し空間。
結構お気に入り。
店長さんも親しくしてくれて、アロマの話しも出来る。
そんなある日、物凄く小さな女の子を見た。

「従妹なんですよ。ま、今年は面接はもう無理だろうなぁ。」
「もう年末ですもんね。」
「ええ。」

ツキライも終わって。
あとは来年を待つばかり。
今年最後と、来てみれば。

「なんでまた仕事?」
「もう高校生だから、だそうですよ。自分で稼ぎたいという向上心はあるんですがねぇ。」
「へぇ。」

なかなか芯のある子だね。

「以外となんでもやれるんですがね。免許証見せてもとか不憫な…」
「え?免許?」
「バイクのですよ。この前受かって。バイクの免許取れるんだから疑うのはどうかと思うなぁ…」
「そうです
ねぇ。」

ふむ。
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