アイドル

□ツキウタ。ファンタジー
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じっと見るのはパソコン。
のソフトウェア。

「…」

先日、訳あって遠縁の叔父に会うこととなり、そこにあった一枚の楽譜に目が止まった。
簡単な物なら読める。
学校で習うから。

それよりも凄い物があった。
一目で音楽に興味を持った。
が、ちんぷんかんぷんなので。
ソフトウェアなら分かるかなとパソコンのソフトウェアの売り場に来てみたものの。
やっぱちんぷんかんぷん。
そもそもやりたい事も無く、「家系的に」普通の人間じゃない。
一族で唯一その力があるという叔父を頼っては来たが…そもそも忙しくて会えない。
秘書さんが世話をしてくれて叔父が社長を務める芸能事務所のとあるタレント寮の一室を借りれて、まぁ住む所は問題ないが、やる事を見つけねば。
幸い歌詞は詩を良く書いてて大丈夫とは言われた。
何かに興味を持ったのは詩を書くこと以来。
だから始めて見ようと思ったものの。

「…だめだ…さっぱわかんねっ」

叔父にアドバイスを貰えたら良かったが如何せん大事な話以外は忙しすぎて出来ない。
結婚もしてなければ子供もいない叔父は、何故か簡単にさらっと私を養子縁組して消えた。
重要
なお知らせは秘書の人が教えてくれるけど、それもこの2日無し。
つまり、衣食住に困らないが暇である。
何も起きなければ。

「ああ…早く行かないとチコがお腹空かせちゃうのにな…」

相棒とも言える小狐は。
寂しがり屋だ。
ずっと一緒だった。
そして私に家族は居ない。
持たされた家系図に、私と、そして叔父の所に丸がされていた。
拾った孤児院の人がそれを見て私の物だと取っておいてくれた。
事実、孤児院…まぁ教会のシスターは私の力を理解していて。
拾った頃から叔父に連絡をしていた様だった。
だから、私だけの孤児院が何かに襲われた時。
叔父がいて、その人だけは私の存在を知っているからと私達を逃がした。
お金が無いが、生きる分には困らない。
が、人して生きなさいとシスターは言った。

人として生きるってなんだろう。
でも、それでも。
まだ流れに身を任せるしかない。
だってまだ子供。
でももうすぐそれも終わる。
私はもう十六歳だから。

だけどどうすれば良いのかな?

「…?…??…???」

そして今は目の前にある興味を持つものの打開策がどれがいいのかをどうする
のか。
やっぱ知識無いと駄目かなぁ…

「…こっちだ。」
「へ?」
「初めて音楽に触れるならこっちのソフトウェアの方が良い。」
「へ?あ…」

見知らぬサラリーマン風の男の人に渡されたソフトウェア。

「ありがとう…ございます…」
「いや。」

と、男の人はさらっと別のを取って言ってしまった。
…東京の人優しいな!!
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