アイドル

□里津花さんと夫婦
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「ママーーーー」
「梨花。怖かったねぇ。もう大丈夫よ。」
「何があったんだ?」
「えと…梨花ちゃんと遊んでたらいきなりあの真っ黒づくめが入ってきて…梨花ちゃんとオレを…それに気づいた榎本さんが来てくれて…」
「で、殴られたと。」
「まぁ傷自体は小さいから大丈夫よ。縫っても2、3針ね。それよりも私はあの薬の方が気になるわ。幾ら何でも出すぎ飲み過ぎ。後で紹介状とか書かなきゃ…」
「水華ー…眉、眉。」
「…あらやだ。」

で、この方は…?

「ああ、そう言えばまだ他の人は知らないんでしたっけ?」
「ああ…ごめん柊羽。挨拶しなきゃって思ってたのに。」
「ん?いや。」

何故そこで里津花?

「俺の奥さんになる人。」
「霧澤水華と申します。」
「なんと。」
「で、俺の娘になる梨花。」

なんと!?

「おお…流石の柊羽さんも叫んだ…」
「まあそうなるよな。」

と、不意に聞こえた赤ん坊の泣き声。

「「…嵐花!?」」

二人して走っていった。

「…いつもより泣き方すごくないです?」
「ああ。ちょっと気になるな…」
「はい!!」

で、皆で行く
んだな。
俺も行こう。

行くと、壱流がいた。
それとかなり怒っている様子の志季。

「志季。」
「柊羽か。悪いがそこの阿呆を連れていってくれ。」
「壱流が何かしたのか?」
「…」
「うっ…」
「…」

だからどうしたんだ。

「…志季、なんとも無いって。大丈夫。」
「そうか…はぁ…肝が冷えた…」
「おい壱流。勝手にフロアに来るのは構わない。けど、そこに何かあるかもしれないんだ。頼むからその辺を弄るな。」
「つかさー。確かに俺、オーディオ使って良いとは言ったが俺の部屋の。共有ルームのは今現在はクラシックしかかけてねぇの。教育上。そういうのあるんだからまず聞けよなー。」
「だって…赤ん坊がいるなんて思わないだろ!?」

赤ん坊…

「おいおい挨拶と思っていたのが裏目に出たか…」
「まぁ仕方ねえけど…」

大音量でオーディオを付けてびっくりしたらしい。
しかもスピーカーの近くにいたから…

「ふぅ…」
「里津花ー、ごめんよぉ…俺のオーディオ貸すって言ってたのすっかり忘れててさー。」
「ああ、うん。まぁ。大丈夫だったし。」

本当に赤ん坊だ…
「嵐花ー。」
「うっきゃ!」
「良かったぁ…笑ってるーっ」

何も無くて良かった。
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