アイドル

□ツキウタ。×なのは2
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昔から、諦める事が多かった。
だから、私は期待する事を止めた。
した所で無駄だと分かってるから。

「…」
「…?…っ!?」
「おろ?バレちゃった?」
「翼…」

休日の晴れた日。
前の日に雨が降って空気が澄んでいて。
だから景色が綺麗だから久しぶりに写生をしていたら視線を感じて。
振り向けば、アイドルが私のスケッチブックを覗き込んでいた。

なんですと!?

「スッゲー上手い!」
「うん。写真みたい。」
「あ、ありがとうございます…」

大学一年生。
だけど私は大学生デビューをとちった。
一人ポツンといるタイプ。
元々ワイワイするのも苦手だ。
嫌いではないけど。

「…つ、翼…先輩?」
「んぉ?なになに?同じ大学?」
「あ、はい…」
「ふふっ凄い偶然だね。」
「おう!後輩にこんな凄い子がいるとは知らなかったぜ!」
「わ、私…あんまり人付き合い得意じゃないから…」
「あら。」
「へぇ?まっ何かあったらこの翼さんを頼りなさーい。」
「また翼は…」
「へへっ」

大学の、大学院の先輩。
キラキラしてて凄いなぁって思う。

「…」

あ、あの?」
「うん。イメージぴったり。」
「はい?」
「ちょっと翼?」

なんでしょう?

「な、俺達SolidSの妹分として、アイドルしね?」

その言葉に。
私の時間は数秒止まりました。
はい!?

「は!?」
「志季からさー、てゆーか社長からさー、「各グループの妹を作ろう」とか言われてさー。」
「は、はあ?」
「そんでな、現在メンバーをスカウト中。ど?」
「い、いえ…私は…」
「人前に出るの苦手なんだよね?そんな子をスカウトしないの。」
「でもさー。えーとそういや名前なんだっけ?」

そですよね。

「名前も知らずにスカウトって…」

里津花さんため息です。
分かります。

「霧澤…霧澤水華です。」
「水華な!」

流石翼先輩。
すぐ名前呼びなんですね。
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