アイドル

□うたプリ×ツキパラほのぼの
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世界は不平等だと思う。
とこの頃思う。

「…」

テレビに映るのは可愛い女の子。
両親に愛され育ってきた「妹」。
会った事は無いけど。

「…」

私は十二年前。
謂れなく虐待というものを受け、そして捨てられた。
理由は「可愛くない」。
殴られ、そして山に捨てられた。
今いるのは私を拾ってくれた人…養父の所。
あの事は二歳だったけど今でも覚えている。
養父には感謝しているが…

如何せん芸能プロダクションの社長。
周りはキラキラしている。
そして私は今、引きこもり。
いや、学校には行ってるけど。

『…社長の娘?』
『にしては…なんてーか…』
『芸能人の子供にしては…少し、ね?』
『あの子、顔が少し歪んでるよね。』
『え?そう?』
『うん。』

それは一番気にしている事。
殴られ過ぎた私は頬骨が少し割れていた。
そしてそのままで山でさ迷っていた。
それが祟って顔が少し歪んでしまった。
目に近い所だった為手術も出来なくて歪んだまま。
気づける人は少ない。
だけどそれ以来私は学校以外は外に出なくなった。

だけどたまたま、外に出た時。

更に衝撃的な事を聞いた。

『ふざけるな!あの子はあんたの子供だろ!!』
「(龍也さん?珍しくお父さんに…)」
『…だからこそ、デース。水華に芸能の世界を。裏方として。あの子ではアイドルになれませーん。』
『シャイニー!それは水華ちゃんが一番気にしてる事でしょ!』
「っ!!」

芸能界、は嫌い。
だって、見た目重視だから。

『それに…あの子を引き取ったのは何か光る物を感じた…しかーし、あの様子では…』
『だからふざけるな!そんな理由であの子を引き取ったのか!?』
『…確かに引き取った。が、あの子はまだ、彼等の子。』
『『なんっ』』

そん、な…
じゃあ私は…

『裏方として働かせます。』
『拒否するなら。』
『両親の元…は出来ませんから…』

また、捨てられるんだ…
大人って本当に勝手。
捨てられる位なら…もう自分から捨てた方がマシだ。
父だと思ってた。
それなのに違うなんて!

「っ…」

私はその日。
引きこもりを辞めて、家出した。
何も持たずに。
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