□ほのぼの2
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昔昔、この世界は何度と無く滅び、そして再成されてきた。
その度に起こるのは途方もない戦い。

神様や魔族達は漸く争っている場合ではないと気づきます。

そして種族を越えた愛で結ばれた神様と魔王を中心に新しい世界を作りました。

それでも悪は滅びません。
いえ、悪もまた、世界に必要なこと。
それは消える事の無いもの。

だから全ての種族が戦う力を持てる様に、世界を作り変えました。

それが今の世の中。

そして、戦いの中心を、世界の命運を左右するのは。


星の守人の役目となりました。

けれどいつの世界も守人はたった一人。
だからその守人は、転生するその時、守人の力を欠片にして、1つを自分が、そして他の欠片を世界にばら撒きました。

そして時代毎に目覚める守人は増えていきました。


そして現代。
守人も、悪神も一昔前の話しになりつつあるこの時代。
平和な時代に産まれた「原初の守人」は平和を謳歌していました。

「…また…ですか…」
「あら、だって今年からうちも作るようになったんだもの。」
「…はぁ…」

この世界には色んな種族がいます。
神様も、神様の一族である天族も、魔族も、勿論ドラゴンや妖精その他諸々います。

昔は人間だった原初の守人たる彼女も、この世界では人間ではなくなりました。

「…着るの?」
「当たり前でしょう?あなたはVelBetCROWNの社長たるわたくしと、クロノワールの社長たるお父様の子供ですもの。親のわたくし達が飾るのは当たり前でしょう?」
「(飾るとか言っちゃってるよ)…分かったよ。制服…高いから着る子少ないだろうな…目立つ…」
「我慢なさい。」

高校入学を控えた彼女、水華は父に時空神クロノス、母に魔王ディアナを持つ、原初の守人の証を持つ少女。
守人が産まれても悪神が動かなければただの象徴だが、水華の場合は神と魔王の娘という立場がある。
その2人は現在人間的生活を謳歌しているが。

「それよりっ今日の朝ごはんどお!?」
「うん、美味しいよ?量が多い事を除けば満点。」
「楽しくってつい、ね?」

もとより料理が好きだったディアナは毎日の料理に余念が無い。
それは毎日フルコース並の量らしいが。

『社長、お時間です。』
「え!?もう?もー…水華、行ってくるけれど、あまり遅くなら
ないように遊んでらっしゃいね。」
「はーい。」

パタパタと出ていく母を見送り、残りの朝食を平らげる水華だった。
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