□能力2
1ページ/26ページ

「…青灯学院、中等部…ここか。」

この世界は全て能力社会。
弱い者は虐げられ、強い者が恩恵を受ける。

『…ごめん…』
「…だったら…やるしか無いでしょう。」

私、霧澤水華の華々しい中学デビューは無残にも砕け散った。
原因は…幼馴染みである。
そして。
私は入学した伝統ある中学から入って半年も経たないうちに言い掛かりで退学をさせられ、別の学院へと入学届けを出した。
新設の割にかなりの難易度の学校。
高校、大学までの1貫で、本当に出来て数ヶ月の学校だ。
夏休み前にも関わらずかなりの編入者がいた。

「…やるわよ。」



『生徒諸君。おはようございます。本日から途中編入の生徒も加わったので…』

小学校の時から思うけど校長って話が長いよね。

『なので、これから生徒会のメンバーを決める校内ランキングバトルを行います。』

は?
いや、バトルとか聞こえたけど。
まてよこりゃチャンスか?
いや…生徒会とかメンドイな…

『ちなみに。不参加は認めません。』

なんだと。

『あらかじめ編入、及び入学試験での能力考査にて個人バトルに向かないまたは
Cランク以下の能力者は省いています。』

なんですって!!!
くそっこれならランク上げて来るんじゃ無かったぜ!!
前の学校で低ランクを馬鹿にされて。
編入試験までにガンガン上げて来たのよね。
いや、そもそも低ランクじゃない実力は分かっててわざと低ランクになるよう力を抜いていた。
幼馴染みと約束したんだ。
一緒にランク上げようって。
ま、所詮は幼い子供の約束だったって事だけど。

『では試合会場へ先生の指示に従って速やかに移動しなさい。』

…うん。
やるか。

で。

勝ちました。
いやっ弱っ!?

「当たり前でしょう。君はSランクなんだから。」
「えー…」
『それでは。えー、本日より、1年A組の霧澤水華さんが会長を務めます。なお、副会長は準優勝の二年沖田総悟君。後は適当に選んで。』

そこは適当なのですか。

「まぁ他のは別の能力だからな。」
「…会計なら経理得意、とか?」
「そうだ。」

沖田先輩は眼鏡男子ですが、強かったです。
意外と武闘派でした。

『では会長から一言。』

え、それやだ。

「行っとけ。」
「ほうっ!?」


眼鏡男子ですが兄貴です!

『え、えー…えと…会長になってしまった霧澤水華です。とりあえず。』

鎮まる会場。

『これから一ヶ月。全員の性格や能力、適正などみて書記などの人選をしたいと思います。まぁでも普通にしてて構わないのでー。』

ま、それなりにやってきましょー。
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ