仮
□能力
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千年以上前。
記録によればそれくらいの大昔に世界各地で大規模な自然災害があったとされる。
それにより起きたのは世界の終焉でも生命の危機でもなかった。
千年以上前にはにわかに信じ難い事だが、全ての命は能力が無かった。
つまり私達が住む星には生物の何かを変える物が眠っている。
「あー…」
「…」
私は寒空の下、ホカホカの肉まんにかぶりつこうとしていた。
緑の多い公園で、人気の少ないベンチで。
そしたら同い年位の男の子が物欲しそうに見ていた。
ん?この人…A組の学年一の美少年の鳥海君じゃ…
でも見てるのこの肉まん?
「…」
「…」
「…食べる?」
「っ!…いや…でも…」
途端に鳴り出すお腹。
えーと…
「…はい。」
「え?」
「半分こ。」
「っ!!!ありがとう!!」
えーと?
なんでそんな空腹なんだろう?
「無くなった…」
そりゃ食べたら無くなるでしょ。
まだグルグル言ってるお腹に、疑問が湧く。
確か鳥海君ってお金持なんだよね?
「…別に俺が金持ちじゃないし…今月の仕送りしてもらったトコだし…
」
じゃなんでそんな空腹なの。
「…全財産スられた…」
「はぁ!?」
「貯金は別の銀行でしてるから…そこに行く途中で…キャッシュカードとかも…」
「…締結してもらってる?」
「うん…」
っていうか、まだ今月入ったばかりだよ。
可哀想なのでファミレスに連れていきました。